【エロADV感想】VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-(製品版)

VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_異形 エロADV

当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。[PV]

VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-
VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-[スレイヴ・カンパニー]
19世紀のヨーロッパを舞台にしたスチームパンクな世界観の架空都市アントロポセンを舞台にしたツクール製のストーリー重視アドベンチャー。主人公は自動人形の女の子であり、エロの傾向はドール萌え&異形化を中心とする凌辱です。
VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_レノール1 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_レノール2 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_レノール3
▲主人公のレノール。本作ではご主人の理不尽な命令によって、不幸な出来事ばっかり遭遇してしまう可哀想な女の子。無表情だけど心は個性豊かで可愛いです。そして時折見せる喜の感情が表情に出る時。

架空の19世紀ヨーロッパを舞台にしたダークスチームパンクな世界観の物語

本作は蒸気機関・人工知能・自動人形などが世界に浸透しているスチームパンクな世界。その上で街並みは19世紀のヨーロッパを模倣し、本作の機関都市アントロポセこそ架空であるものの、イングランドやフランスの情勢を出すなど世界観もその当時である事を匂わせています。その一方で、現代では想像もできない未来技術、不気味な機械などもところどころに見られます。

本作の大きく目立つ特徴は全てのマップが1枚絵で描かれていること。暗みと美しさ、禍々しさがあるマップであり、物語内の不気味さは勿論、ホームマップとなるアントワーヌ宅、後半で大々的に歩ける、スチームパンクな街並み、全てが一つのダークゴシックな世界観で統一されています。
VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_マップ1 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_マップ2 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_マップ3 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_マップ4

19世紀ヨーロッパと言えば産業革命の真っただ中であり、技術革新が進む時期。現代に繋がる様々な物理学の発明や商品の開発、資本の拡大化など正の面がある一方、環境汚染、貧富の差、経営層と労働者階級への圧力などが生まれた時期でもあります。これら負の面を全面的に出した街並みです。その一方で、大企業による富の独占や歪な搾取構造など未来型ディストピアな監視社会も実現しています。
VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_労働1 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_労働2
▲労働者と経営者の対立が都市単位で表面化しています。
VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_本
▲書物などからも、ヤバい情報が集まってきます。

技術・文化共に19世紀をなぞりつつも、何か間違った歪で退廃的な世界観を形成しています。ニトロプラスの「月光のカルネヴァーレ」やライアーソフトのスチームパンクシリーズなどのスチームゴシックに似た退廃的恥美に溢れた世界観ですが、よりダークと言えるでしょう。音楽もこれ19世紀だと思ってしまう選曲です。ちなみにエロ関係は若干、同じくニトロプラスの「鬼哭街」を思い出しました。

この世界で生きるアントワーヌは、啓蒙家として、性的・残虐的な側面を持つ童話から、これらの面を排除した物語を生成しようとしています。自分で再執筆した方が速いのですが、技術革新のため、人工知能の強化を行うべく、自動書記機能を持った物語生成機を使ってこれらを全自動でできるように計画しています。主人公であるレノールは自身の所持者であるアントワーヌの命に従い(人形は主人に従うようプログラミングされている)、物語生成機の中に入り物語を追体験、修正していくことになります。
VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_オープニング1 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_オープニング2 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_オープニング3 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_オープニング4
▲人形を中でロールプレイさせることで、物語に変化を与える機械を使って物語を修正する話です。
VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_こだわり
▲人工知能に物語を紡がせることにこだわっています。

家内には、アントワーヌ、レノール以外にも人形の違法改造が得意な謎の男メリル、2つの人工知能・身体がくっついた双子の自動人形がいます。
VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_双子1 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_双子2
▲体がくっついている自動人形。この歪さが世界観とマッチしています。
VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_女の子
▲後半に登場するドールや人間もいます。

最初の物語は「赤ずきん」。しかし、プレイヤーが知っている赤ずきんとは異なり、この世界観の知識では不釣り合いな宇宙船があり、「見たものを返すことはできない:」と二足歩行のエイリアンみたいな喋る怪物が襲い掛かってきます(レノールはこれを狼の代わりと断定)。すごいSF感が漂っています。

一度襲われた後は、物語に地雷を用意してもらって最初からプレイ再開、エイリアンな狼を撃破。おばあちゃんの家についても家内はエイリアン狼がおり、知的に話をした後レノールに襲われて家の中はやはりエイリアンが……。との流れで修正&構成して、「健全」な物語に変えていきます。基本は一度、強姦などのひどい目にあってから修正することになります。
VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_狼1 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_狼2 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_狼3
▲赤ずきんをなぞりつつも、こんなの赤ずきんじゃないと言うべく違和感ばりばりの童話世界。
VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_赤ずきん1 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_赤ずきん2 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_赤ずきん3 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_赤ずきん4
▲2回目は地雷を物語に追加して、オオカミに踏ませてどっかん。もはや童話の面影皆無ですな。
VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_赤ずきん5
▲こうやって問題のある場面を消していきます。

本作は上記を含めて3つの物語を改変すべく、物語の原典を体験し、修正していくことになります。なお、1つだけネタバレしておくと、2つ目以降はオリジナル童話であり、私達が知っている童話とは全く異なる話です(それでも2つ目はダーク童話らしい雰囲気)。また、体験版プレイ者は1つ目の世界が小さいと感じるかもしれませんが、3つ目の世界は町が存在しいくつかの施設に入れるほど巨大な物語を用意しています。

物語について語ると、何もかもがネタバレになってしまうので物語の魅力を語ることはできません。序盤から伏線となる仕込みが山ほどあります。体験版範囲の前フリを挙げると「アントワーヌが外出中にメリルがレノールの腹を割くと、物語生成機で宇宙人に植え込まれた種が体内で見つかる」「赤ずきんを再現しているはずなのに、何故か宇宙人っぽいキャラが登場する」「物語生成機で出力されるログ内容」などなど。前半で出てきた疑問点が中盤から終盤で徐々に回収され、回収後は結末に向けて大きく動き出します。

プロットの練り方が上手いので、スチームパンク好きでシナリオ重視のノベルゲームが好きな方は物語を楽しむことができるでしょう。序盤から進行している重要な事件を解決するまでが語られます。決してハッピーエンドとは言えませんが、収まるべきところに収まっており、納得のある結末かと思います。私個人の見解なら、短編ながら質の良い物語だと思います。絵柄や嗜好の特殊性から大きなDL数になるまでいかないと思いますが、非常に勿体ないと思うくらい。

もう1点、レノールの自我と変化も大事な部分。AIに自我が生まれるのか?は今後数十年後の未来に人類の命題となる重大なテーマですが、本作もプログラミングされた存在であるレノールが快楽を持つことができるのか、主人の命令は絶対なのか、自我は存在するのかを。物語が進むごとにレノールの感情が豊かになっています。

ドールへの偏愛、異形化、リョナからの快楽などが見え隠れするマニアックシチュ多数

本作では自動人形がプログラミングを経て痛覚や気持ち悪さ、快楽を得るためのプロセスがしっかり語られます(つまり、作者側でそれだけのロジックを用意しています)。痛がる時の表現も人間的な「痛い!」という表現ではなく「痛みの感じる〇〇が」と言う、一遠まわしな方法で表現されています。徹底的に自我を持っているドールが凌辱されたらという条件でのエッチにこだわっています。

また、全般的に凌辱でありながらも、ドールの姿恰好は恥美系の雰囲気が漂っています。ロリ体型+ロリータファッション。異形化しても、そこに不気味さと美しさが混在するような姿で表現しています。

その上でドール特有の人間では不可能なプレイがいくつか用意されています。体験版範囲ではレノールの意識がある状態で技師が腹を開いてレノールが恥ずかしがると言うシーン、後半だと熱を持ったために人間とは構造が異なる内部が透けてみえるなど。
VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_腹1 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_腹2 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_腹3
▲ただのメンテナンスですけど、そこはかとなく感じるドール特有の官能美。「人形の関節」のこだわりを感じます。

また、この2つの組み合わせ技としては、「〇〇することで快感になるように内部ロジックを改造する」という荒業を行うことで、メンテナンスの一環のような内容がエロプレイに変化します。眼球プレイなど人間では再起不能になる内容でも人形なら簡単に治療できてしまいます。

もう一つの特徴が凌辱。残虐性のある物語を追体験するという性質上、物語の中で凌辱を受けることになります。それこそ一般的なゲームだとそのままゲームオーバー直行の救いようがない結末を迎えます。ただ、童話の世界且つ何度でもリセットできるという条件のため、最終的には現実世界に戻って回復します。現実に戻ってからレノールは「神経が焼き切れそうになった」と何度も言葉にしており、メリルも脳回路へのダメージに言及するなど、精神的に影響があることも特徴。そのため、損傷前提の凌辱に遭いながら、体は綺麗に戻るも、心は快感が残っている状態を作り上げています。
VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_異形
▲腹から出てくる新しい2本の脚

ほとんどが異形化とセットになっており、「足が無くなった状態で凌辱」「体内にナノマシンを注入され、体内から凌辱される」「腰より下が触手化」のように人間の形を失ってしまう凌辱が目立ちます。最終的に物語からの脱出という形でリセットされることも凌辱に拍車をかけています。中には脳内に浸食して気絶するまで快楽中枢を責めるというような描写も。
VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_エロ1 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_エロ2 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_エロ3 VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_エロ4
▲異形後はそれが快感になり、神経回路がショート寸前になるまで責められます。
VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-_内部
▲体の内部に異物が入り込み、内部から食い破られ、さらに快感を得るよう脳回路まで犯されているシーン。ちなみにこれの差分はさらにすごい状態になっています。

また、後半では女性ドールが快感に身を震わせることが好きなS女が登場し、レズプレイ(S女がレノールに道具を使って責めるシーンのみであり、純粋なレズではありません。)が行われるようになります。

これらはマニアックなエロ嗜好を突いていますが、もう1点、このエロ無くしてこの世界観は作れないと言えるほど物語との親和性も高めです。特に本作の雰囲気ゲーとしての側面を大幅に高めてくれ、本作を全年齢版として販売したら、物語の魅力が半分以上無くなってしまうと言ってもいいかもしれません。まさに18禁だからこそできた世界観でしょう。ダークゴシックな彩を高めてくれます。

プレイ時間は2時間ほどでシーン数は12、ロリロリしいドールの女の子が凌辱されるシチュオンリーです。退廃的なスチームパンクの中で世界の秘密を探っていくシナリオとそれに合わせて作られたマップで、ストーリー重視系ノベルに興味のある方はどうぞ。また、かなりニッチな性を突いたゲームなのでその点でも興味があれば。世界観・物語・人物の性格描写・性表現等一つ一つをこだわって描いています。

購入はこちら
DLSITE:VOYAGE-崇高を俯瞰するための手引-

サークル関連作の感想

アントロポセン1889(製品版感想)
未知の技術で発達した19世紀のスチームパンク世界を舞台にL社とレジスタンスの対立を描くエロRPG「アントロポセン1889」の感想です。感情のある自動人形達によるメカバレ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました