近未来都市ケーサツ (FANZAはこちら)
治安悪化が著しいサイバーパンク都市が舞台で外見が人間女性そっくりのアンドロイド「ロム」が新米警官として、犯罪捜査するRPG。緻密に作られたサイバーで美麗なマップの数々と、そこで産まれる近未来のテクノロジーを反映した人間ドラマ、アンドロイドやサイバーチップを扱うエロシーンが本作の魅力。
レイプおとり捜査に任命された新米アンドロイド警官がサイバーパンク都市を巡回
主人公のロムは優秀なアンドロイドとして自身が望む警官に就任。
▲正義感が強く、時におっちょこちょいなアンドロイドの女性。人間味がありすぎて本当にアンドロイド？と感じることはある。
ところが、感情をチップで抑制している女上司により、アンドロイド用の任務としてレイプのおとり捜査を任命されてしまう。性格や性に関するモラルは一般の人間と変わらないロムは、それでも仕方なくレイプされ、早速犯罪者を検挙する。
その後は、町の数々を訪れ、教団教祖の自殺防止、ギャングに拉致されたアイドルの救出、故障した扉のセキュリティ解除など小さな困りごとの解決から警察沙汰の大事件まで関わることになる。
もう一人、ロムの上司となる女捜査官クロもサブヒロインとなる。感情抑制インプラントにより、無感情で淡々と捜査しており、人間らしく無くて有名。ただ、何故かロムに執着し、ロムが止めてとなんど言っても盗聴、盗撮なんでもござれとストーカーを繰り返す。つまり百合用サブキャラ。
▲よい性格してる
▲感情豊かなアンドロイドと感情を抑制している人間の2人のやり取りは面白い。
プレイヤーはロムを操作して都市を散策しながら、各々のサブイベントでの小事件を解決していく。それぞれのサブイベントは小さいながらも、「人間の死とは？」「アンドロイドオタク」など作者なりのオタク知識と哲学や科学知識を活かしたテキスト描写や人間達のドラマを描いており、一つ一つが非常に面白い。作中のモブ住人たちの行動もその世界観に似合う動きを見せる。
▲世界観は作り込まれているので、町を歩いてモブの話を聞いたり全年齢部分のサブイベントを遊ぶだけでも、設定厨には脳髄たらたら。
本作のサブイベントが面白いのは実は当たり前、メインイベントが存在しない。多数のサブイベントと数個の少し重いサブイベントでで構成される仕組み。サブイベントをクリアすることで新たなサブイベントが増えたり、別のメインに近いサブイベントをクリアすることで次の地区へ探索できるようになったり。属に言うフリーシナリオRPGに近い構成になっている。
このサブイベントの中で少しづつ、ロムやクロを手に入れようと、サイバー空間から姿を見せずにつけ狙うバグと呼ばれる犯罪者との因縁など二人に関するフラグが蓄積していく。クロは後半になると一部プレイヤーが操作するシーンがあり、犯罪者に追い込まれていく様相が描かれる。
サブイベントの一部はハッキングで解決する。例えば「ホテルのドアが壊れて開けれない」従業員を見つけたら、扉を調べてハッキングし、故障個所をなおしたり、繁華街でギャングが一般人に銃を使おうとした瞬間にハッキングして銃を撃てないようにしたり。それぞれのハッキングは電脳空間に移行し、空間内で簡単なパズルを解くと成功する。
▲ハッキング空間内は自キャラをパズルを解いてゴールまで導くパズルが行われる。
サブイベントをクリアするとお金を貰えたり善行値が上昇する。お金では武器防具の購入やアップグレードなど、善行値は一部のイベントでNPCに確認され、善人と認められると新たにイベントが発生する仕組みとなる。戦闘がある場合、戦闘そのものはオートで進み、一瞬で勝負が終了する。そして勝敗はその戦闘で必要な武具の装備有無。つまり本作の武器防具は一応装備品だが、実質イベントを進行するためのキーアイテムのようなもの。
本作はサブイベント群で構成されるが、実質的に全てのお金や善行値、装備が必要なため、エンディングを迎える時点で全てのサブイベントをクリアすることになる。また、ある時に知り合ったキャラが別の事件の導入部や解決策になるなどシナリオ間の補強になるような話もある。
複数のサブイベントをプレイしているうちに、ロムやクロの魅力はもちろん、だんだんこのサイバーパンク世界観に魅了されていく。
ただし、シナリオ観点からの欠点もいくつかある。
まず、本作の製品版が短い。具体的には体験版とほぼ同等の長さ。CG数は2倍なのでエロの密度は上がっているが、シナリオ量等は体験版とほぼ同じ。また、序盤から因縁のあるネット上の敵キャラがいるが、その問題に関しては全く片付いていない。おそらく妥協している。価格帯から見る分量や品質は悪くないので、純粋に体験版で見せすぎの気もする。
もう一つ、時間の流れに対する感情の変化が激しい点だ。本作は時間的には着任から最終盤の少し大きな事件まで1,2日で発生している事件だ。その割にはクロはロムに百合感情を抱きはじめるし、ロムも依頼解決数が非常に多い。捜査もいろはもだんだんわかってくる。普通は数ヶ月単位で築く関係をわずか2,3日で構築してしまっている。割と世界観がしっかりしており、テキストや設定関連も整っているため、このあたりを妥協すれば物語は楽しめるが、ここを気にするかどうかは一つのポイントかも。
未来のインプラント技術を使ったエロシーン
ロムの肩書はレイプのおとり捜査官だが、おとり捜査によるエロは実質1シーンであり、その他のサブイベントによるエロシーンが主体となる。イベント時に自動発生するエロの他に、戦闘敗北による敗北エロからのゲームオーバーの流れも存在する。1つ1つのエロシーンは良いが、、エロシーンのキャラを2人で分けたため、一人のシーン数が非常に少なく見えてしまう点は注意。
基本は「何かで身体にエッチな状態にさせる強制」シチュ。例えば催眠をかけて記憶を失うようにしてからのエッチや、強制的にオナニーなど。その発生方法は単純な催眠ではなく世界観に合わせてチップを差し込むなど近未来的な要素を混ぜる。強引系では機械姦やギャングによる凌辱など、どの世界観でも変わらないなと思われるような内容も存在する。
▲誤って侵入したことをとがめられて半強制的に機械姦実験を受けさせられる。
ロムそのものの身体は一般女性ほど感じやすい点を強調しており、強制オナニーなどでは何度も絶頂する。世界観やシナリオとエロシーンが密接に繋がっている雰囲気を出しており、シナリオからの流れでそのまま感情移入しやすい。
▲強制オナニープログラムをインストールされ、指が止まらず何度も絶頂。
また、コスプレエッチしてくれたら●●をあげるなどの売春に近いようなエロも少し存在する。このあたりは柔軟に要求を飲むため、若干普通の人間女性とは道徳感覚は異なるのかも。
▲ある商品と引き換えにコスプレエッチを要求される。なぜか普通に提案にのる主人公。
ゲームでの活躍はロムがほとんどでクロはサブ的に活躍する程度だが、エロシーンはクロも同等にある。また、完全なサブキャラによるシーンが2種類ある。
クロはゲーム前・後半でエロシーンの内容が一気に変化する。前半はレイプ犯罪に巻き込まれることがあるが、感情抑制の効果により、淡々とレイプされながら、相手に遅効性ウイルスを打ち込み、敵を無効化して捕縛するような冷静さを見せる。
▲レイプされている最中に冷静。
ところが中盤になると敵の攻撃により感情抑制が無効化される。しかも、その状態で男の魔の手が迫っており、性的にいたぶられることになる。中盤以降はロムがサブイベントをクリアするたびにクロにプレイヤー操作が変更する。その際は空想の中で強引に犯される描写を何度も体験させられるなど、徐々に追い詰められていく姿が描かれる。
プレイ時間は1時間30分、シーンはロム9、クロ10、サブキャラ2の計21シーン。差分等は無し。作り込まれた独特なサイバーパンク世界を楽しみたい方にはうってつけの作品だ。サイバーパンク2077のような洋物とはまた異なる世界を味わえる。作者のテキストの品質も良いため、文章を読みやすい。
なお、上記でも書いたとおり、物語としては小区切りで終了しているものの、ロムとクロの関係もまだまだ良好とは言えない関係だったり(将来は良いコンビになりそうなフラグはある)、黒幕は野放しだったりで続編ありきで作られている点は注意。
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