ピンクスレイブ(製品版感想)

ピンクスレイブ_ヌード4 製品版感想(スクショあり)

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ピンクスレイブ
ピンクスレイブ[スケイルガーデン] (FANZAはこちら)

人妻の浮気事情とプロレスを組み合わせたRPG。エロシーンの見せ方は寝取られではなく、浮気エッチにはまっていく人妻です。特殊な横視点で物語を紡いでいくADVスタイルのRPGです。

開発サークルのスケイルガーデンは「砦のローデス」をはじめ、有料エロRPG黎明期においてコンスタンスにRPGをリリースしてきたサークルです。ガチガチにスクリプトを独自制作しており、システム面、特に戦闘システムで他RPGと差別化を図ることに成功しています。ツクール製RPGが増え、快適化が最先端を進んでいる現在から見ると、戦闘にかかる時間など問題も見えますが、当時においては大ヒットした作品でした。ちなみに販売数が4000弱ですが、当時の市場では、大ヒットと言えるDL数です(2019年現在の10,000DL相当)。

さて、そのスケイルガーデンが満を期して放つ本作はRPGツクールでありながらRPGの面影を極力なくしたADVゲーム。町全体フィールドと横スクロール視点の空間を行き来しながら人妻の浮気事情を体感していくゲームです。近年でジャンルが近い部類は「Succumate -サキュメイト-」でしょうか。

主人公の隷子は夫を持つ人妻。夫ともども下層都市の植物工場で働いています。夫は淡泊でセックスレス気味だけど、優しく隷子の事を愛しています。隷子も夫を愛しているものの、物足りなさがあり、最後の一線を守りつつ、工場長との浮気(セックスは無し)、ビーチで隠れて胸をさらけ出すなどゲーム開始時にも性に奔放な女性を描いています。さらに、隠れてピンクの覆面を被ったレスラーとしても活躍中。

つまり、序盤は夫への隠しごとをしつつも夫を愛するキャラとして描いています。
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▲夫とは性の不一致がありつつも、仲良くくらしている夫婦の様子が語られる序盤。

ところが工場長が死亡してしまい、後釜に来たのは隷子を狙う工場長の親戚。そして、工場の経営悪化対策も併せて隷子は本格的にレスラーとしても復帰することに。

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▲工場長がいなくなった後、後釜でくるいけ好かない男は隷子を狙ってきます。

また、現代に似せつつも、植物工場、空中エレベーター、上層の地上部、下層の地下都市など若干のSFが混じった世界観も魅力的。名前は隷子以外だとトーマスなどアメリカ系の名称に統一しており、アメリカ風現代に限りなく近いけど、何か違う世界観が楽しめます。あくまでフレーバーなので、そこまで深くは掘り下げてはいませんが、それでも独特の都市での浮気事情は盛り上がりました。

その世界観を実現するのが、背景ドット、キャラドット全てオリジナルで統一された独創的な横視点空間。階段を上下する時は斜めに自動的に動き、車に乗る時は隷子の乗降用ドット、そして(前に進むだけとは言え)実際に巨大な車をプレイヤーが操縦する快感、洗練されたフィールドマップでの移動など、全般的に世界観が実感できます。
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▲階段の上り下り。
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▲座ったり、話したり、車に乗ったり。それぞれで専用のドットを用意しています。
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▲1枚目は全体フィールド。2,3枚目はエリア。美しい。

次に向かう先は基本的に表示されているので困ることはありません。該当する人物に話しかけたり、ソファに座ったりしてイベントを進めます。また、フィールドのアイテムは、調べる必要が無く、アイテムイベントリを見ると落ちているアイテムが分かりイベントリ内の操作だけで入手・配置ができます。
ピンクスレイブ_アイテム欄
▲アイテム欄のUIなどもツクールの原型を完全に崩しています。

ストーリー的特徴は、作中で指示された通りに動くとメインイベントが発生するタイプのため、テンプレート的な抜きノベルゲーです。隷子が、弱み(夫の稼ぎや出世、自身の過去の浮気事情)をネタに周りの男達から迫られ、自分もだんだんと浮気の快感に飲まれていくまでが描かれます。

本来、この種のシナリオをRPG化するとノベルゲーの雰囲気が残り、RPG好きの私からすると「ノベルで良くない?」となるのですが、本作は別です。イメージは海外のストーリー重視謎解き脱出ゲームに近いかも。本作の場合、ノベル系で説明を省きたい世界観や背景などは全てドット絵の風景や前後の雰囲気でプレイヤーに伝わります。そのため、上記のSFな世界観は冒頭以外特に説明がありません。プロレス関係に関してもエロに重要なところとストーリー進行に必要な最低限以外はあまり語られません。テキストのほとんどが、隷子の浮気相手達の人間関係、浮気の濡れ場の2つに絞っています。

そのため、雰囲気を感じつつ、エロに集中できます。また、後述しますが、プロレス戦闘、整体での回復、各種浮気キャラのドットアニメーションによるサブエッチなど本編ストーリー以外の要素を豊富に用意することで、単なるエロノベルの枠からははみ出しています。

さて、エッチシーン。いちおう夫がいますが、夫とのエッチは一切ありません。序盤でも空気で、さらにゲーム途中からはプロレス関係の雇い主の策謀で出張に行ってしまいます。隷子の浮気相手は共に暮らしている夫の祖父、工場で信頼している昔からの浮気相手、工場の後釜になったいけ好かない親父、プロレスのプロデュースをしてくれる社長、整体師など。

序盤は浮気相手とのセックスを含まないエロプレイや露出で快感に包まれる様子、夫の祖父が見ていることを気づきながらの着替えなど。そして、後釜親父に過去の性癖などを脅されてのエッチなど。後半になると、とある事情でセックスプロレスラーとして働くことになります。そこで指令を出されるのですが、基本的な目的が浮気ということで、だいたいのパターンが「対象相手に、自ら誘惑してセックスすること」になります。

例えば、今まではお互いに分かっていながら裸体やお尻などを見せるだけだった夫の祖父と「セックスしろ」との指令など。一所懸命に誘惑しても祖父が拒否するならセックスしなくてよいと言われながら実際に誘惑すると……。

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▲積み荷を降ろすフリをしながらお尻を晒す隷子。
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▲着替えを覗かれているシーン。覗きに気づいた様子の隷子ですが、その後は見せつけるように。
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▲ヌードにはまっていた頃の写真で脅されています。

「お金のため」「夫の出世のため」と納得しながら一歩踏み出して特定の知人とセックスする背徳感と、指令が過激になっても耐性がついていく様がよく分かる物語になっています。

これらは塗りの濃い独特のCGで描かれます。このCGに関しては、過去作を踏襲する造形だけど、確実に塗りの良さがアップしています。差分を豊富に用意しており、一つのシーンでも4,5枚の画像を使っており、テキストの進行に合わせて次々と変化します。メインイベントはドットアニメーションこそないものの、各浮気男性達の歩行キャラに話すことでイベントが進むため、ノベルゲーよりも臨場感があります。
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そして、メインイベントとは別に用意されているのが、日常や各キャラとのサブイベント用に作られている様々なドットアニメーションによるエロ。例えば日常だと、車に乗る時に、乗るポーズ、乗った後とドットがあり、乗車後は車を実際に動かすことができます。通常のツクールチップとは異なる巨大な車を実際に走らせた時は感動したものです。

また、後述のプロレスによるダメージは整体で回復します。いわゆる宿屋の役目で、整体中、少しづつ回復します。そして、整体中にボタンでポーズを変更可能で整体師があちこちを触ったり後半になるとエッチな整体も交じってきます。

祖父の覗きが当たり前になると、何気に風呂に入った時はシャワー中に祖父が現れたりもドットアニメーションで表現。
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▲▲ある時期からシャワーに入ると、外には何かいます。
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▲▲ある時期からどこでもトップレスヌードが可能に。

また、一緒にお酒を飲んだり、家で作った食事を振る舞うことで各キャラとの好感度が高まっていきます。このパラメータは本編とは完全に独立しており、一定以上たまることで、ドットアニメーションエッチが追加されるようになります。

そして、本作の戦闘代わりとなるプロレス勝負。基本的にシナリオ上での戦闘のみ。普通の画面と異なり奥行の移動が可能でベルトスクロール系のような操作が可能。ベルトスクロール型という点では別物ですが、操作感みたいなものはスーファミのファイヤープロレスリングを思い出しました。左パンチ・右パンチ・キックに加えて掴んでからの投げ飛ばし。そして投げ飛ばした相手には追撃をかけることができます。

追撃時は、責め内容により、左右パンチやキックの攻撃力低下、同確率の低下、防御確率低下、戦意低下などの効果があります(逆に自分が追撃されると同様のマイナス補正)。相手が倒れた時にフォールで10カウント、パンチやキックで相手が完全ノックダウン、相手の戦意を一定以上下げるで勝利です。

また、敵の攻撃を防御している間にキーが現れてボタンを押すと強力カウンター、攻撃時にキーが現れてボタンを押した場合のコンボなどもあり、瞬時のアクションも要求されます。

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序盤はマスクを付けてプレイだけど、後半になると素顔を晒し、さらにトップレスにてプロレスをすることに。移動時も技を決める時もドットアニメーションのおっぱいがプルプル震えています。
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▲▲トップレスになる頃は隷子の気持ちも趣味のプロレスからお金を稼ぐためのプロレスに変化。

基本的に投げを決めて、「追撃で相手のステータスを低下」、弱まったところで何等かの止めを刺す手順で相手に勝ちます。対戦相手によっては、「戦意が全然下がらない」、「パンチの攻撃力が異様に高い」など特徴があるため、弱らせ方や止めの刺し方は変化します。序盤の試合は経験値や入手金額が低いデメリットも大きいけど負けても問題はありません。ただ、後半は必ず勝利しないと先にイベントが進まないので、なるべく全勝しながら進めたいものです。

私自身、プロレスゲーはほとんどプレイしたことが無いし、実はルールもあまり知らない人間ですが、ツクールとは全く異なる戦闘ルール(たぶん計算式も1から作っている)のため、かなり新鮮でした。

プレイは2時間ほど。ゲーム全体として見ると、システムや風景をしっかり見てもらうためか、一部面倒なところがあります。例えば、キャラ一人一人の好感度を上げるための作業は時間がかかります(これだけは途中で諦めました)。整体での回復もエロシチュとしては良いのだけど、単純に宿屋として利用したい時は時間がかかります。プロレス系のシステムは説明書やゲーム内の説明がほとんどないので手探りで覚える必要があります。また、1試合が長いため、プロレスを楽しむ時はともかくシナリオを見たい時は足掛けになります。

ただ、それを踏まえても、全体的な感想として、すごく世界観に浸れる浮気系の良作だなと。序盤や中盤は夫の影が薄く女性主人公の浮気ものとして楽しめ、エンディング後に動き回ると、「寝取らせ系」シチュがいくつか用意されています。上述でエロノベルと書きましたが、エロノベルでは表現できない様々な情景描写をドットアニメで実現しており、プロレスやシナリオ合間のミニイベントなども相まって見ることに関して非常に楽しめるものとなっています。また、ドットなど画面が凄い以外にも、実はエロノベル部分もテキストが練られているので、抜きやすい作品かと思います。隷子のエッチ中の心情の変化が分かりやすく綴られます。

とりあえず、ドットが好きという方は度肝を抜くので、まず体験版だけでもプレイしてみて欲しい作品です。

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