4人の女の子が、それぞれ別事情で廃病院に侵入し、病院内に潜む怪人に襲われる横スクロール視点のパニックホラーRPG。ドットの動きが非常によくヒロイン達が生き生きとしており、さらにシナリオも練られている。
▲ドットでそのキャラ特有の様々なポーズをとる。
エロシチュは身体欠損や身体改造の上での凌辱であり、かなりハードなエロシチュ。だけど身体欠損は身体改造後に克服するし、改造後も女の子たちはたくましく生きているため、残酷さからくる怒りや悲壮感は薄い。そのため、これらのライトな雰囲気でこれらのシチュを楽しめるのが一つの売りかと。
本編はひたすら凌辱で精神的にキツい描写も多いが、各エピソードをクリアした後の調教モードは、身体改造された姿が和むし本人達は順応するなど平和的。
横スクロール視点のサバイバルホラーな雰囲気抜群の廃病院を探索
プレイヤーは4人の女の子から1人を選んでプレイする。「根暗体質で友達が欲しいぼっち」「ヤリマン」「ふたなりで女子に欲望する体育教師」「厨二気味の正義ウーマン」の4人。4人は全員が知人レベルの顔見知り状態だが、それぞれ異なる事情で時系列的にもバラバラに廃病院へと訪れる。
3人の探索する箇所はそれぞれが病院東、病院西、地下と全く異なる箇所が舞台。残りの1人は真相が明らかになるキャラであり、全ての場所を探索することになる。時系列は「根暗女」「ヤリマン」「体育教師」「厨二」の順である。いちおう公式は好きなキャラからプレイ可能だが、後の時系列は先の時系列のネタバレになるので推奨できない。
根暗女は自分の唯一の友人と思っている女の子からの案内と思い訪れ、ヤリマンは仲間と乱交パーティーで訪れ、体育教師は行方不明になった二人を連れ戻すために訪れ、厨二は病院内にいる悪を退治するために訪れる。女の子4人の当初の目的は別々であるが、それぞれが序盤を過ぎると窮地に陥り、入口が塞がれた廃病院からの脱出が次の目的となる。
▲根暗女。後半の彼女がとても好きになった。ドット芸も細かくて作者に愛されてるなーと感じる。
▲ヤリマン。精神的に一番タフで、個人的にはかっこいいキャラだと思ったり。
▲フタナリ教師。変態なのでオナニー好き。素で怪人っぽいような豪快キャラ。最強なのにお笑いキャラと化している。
▲厨二。真相が分かるシナリオ構成になっているので、一番最初にプレイは推奨できない。
学校や廃病院などは全て横スクロール視点で描かれ、オリジナルのドットとツクール改変ドットが違和感なく組み合わされいる。ほぼオリジナル素材のように見えるようでいて、しっかり見るとツクールRTPの改変素材が混じっている。なかなか気づきにくいほど背景に溶け込んでいる。廃病院の不気味さや回想での学校などでの教室や体育館などの作り込みが素晴らしい。
各主役キャラや敵キャラ達の歩行ドットも横スクロール用に全て書き下ろされており、移動する際のドットも滑らか。さらに様々なポーズがあり、見ていて非常に楽しい。キャラも時に可愛く、時にかっこよくアニメーションする。
見た目こそ横スクロールだが、ゲームはこの廃病院の中を探索する一般的な謎解き脱出ゲームだ。様々な物を調べてアイテムを入手したり、本を読んで情報を得たりしながら脱出を目指して動いていく。
また、4人は全く親友ではないが知人レベルであり、廃病院へ訪れる前から出会っている。各ヒロインエピソードにて他3人との過去のやり取りを空想する場面が1種類ずつ(つまり1エピソードで他の3人分ずつ)が用意されている。これはお互いの立場から相手を見るため、すれ違いや勘違いもあって面白い。
例えば根暗女エピソード内のヤリマンとの邂逅過去シーンではから売春を強制させられいじめられているような描写になる。逆にヤリマンエピソード内の根暗女エピソードでは、主人公が純粋にエッチが好きで、エッチの素質がある根暗女を仲間にしたいような状況が描かれる。全くいじめている描写は無い。
また、特に過去回想エピソードでその面が強いが、本編も含めてキャラが非常に生き生きして個性的だ。根暗女は友達と呼ばれると過剰と思えるほど喜びとてつもない馬鹿力を発揮する。
ふたなり教師はエッチ欲求が常にあり、性癖を隠しながらも女子トイレでオナニーしたり教え子を見て欲情したりと見境が無い。その一方で格闘馬鹿でもあり熱血的なカッコ良さもある。
ヤリマンはエッチ好きで知人にも乱交パーティーを誘うほど。
▲根暗女は最初ヤリマンがエッチしていた時にオナニーしていることをバレたことから狙われるようになった
▲体育教師はオナニーしたのがバレたくなくて、ヤリマンは精子の濃さでやみつきになる。お互いの変態が分かる、且つすれ違ってお互いに色々と気づかない場面。
▲精子をビンに入れて飲むのが好きな、元からの変態キャラ
厨二は廃病院の事件の真相を知るキャラだ。そして社長でありながら悪をその手で撃つことに情熱をかけている。とある理由で両目の色が異なることもあり、かっこつけながら厨二的なセリフを吐く。
キャラは個性的だが、その理由はキャラが持つコンプレックスを上手い事引き出しているからだ。根暗女は引きこもり体質で友人がいないことに悩み、ヤリマンはとある理由でエッチを好むようになる。ほとんどのキャラは物語序盤はコンプレックスを隠しながら、だんだん明かされていき、キャラの境遇や行動の源が分かるようになる。
その個性的な性格を使ってプレイヤーが見るとギャグに思うような描写も多々あり、物語がかなり面白い。
時系列で前に病院に訪れていたキャラは他キャラエピソードで敵として現れる。
▲過去に廃病院を訪れたキャラは基本的に化け物になっている。
廃病院の中には共通する敵としてミイラのような大男風の怪人が存在する。ある一定時期になると、部屋移動の際に定期的に大男出現フラグのチェックが行われ、いざ出現すると、画面が赤くなりどのエリアにいても数秒後に大男が登場、主人公を追ってくる。捕まれると戦闘になり、敗北すると敗北後に監禁凌辱されゲームオーバー。さながら、慣れるまではLive A Live SF編を思い起こすような緊迫感がある。
▲追っかけイベント。まあ全キャラのエピソードで登場するので、慣れてしまったら面倒くさいイベントにもなってしまうのですが。
もう一人、少女のような外見の女がいる。この廃病院に一人いる時点で怪しいが、本性を現すと怪人を操ってヒロインたちを追い詰めてくる。また、不気味な触手や他の怪人たちを含め廃病院はヒロインを逃がさないよう追い詰めてくる。
そのため、「怪人に気絶させられる」、「ギロチンなどの罠トラップにひっかかる」などにひっかかると容赦なく敗北エロ+ゲームオーバーになる。キャラによっては腕切断、眼球抉られなど途中から身体欠損でシナリオが進む。また、最終的に各エピソードをクリアしても実はヒロイン達は脱出できない。ひっそり世間から行方不明扱いされ、廃病院で謎の女や怪人たちの餌食になる。つまり各ヒロインシナリオはバッドエンド確定のシナリオだ。
▲怪人に捕まって戦闘後に敗北すると基本的に怪人凌辱バッドになる。
▲謎の女。とにかく狂いっぷりの表情が印象に残っている。
本編のエロシーンは、基本的にシナリオに準じた凌辱系だ。怪人などに捕まると容赦なく凌辱されてしまう。それは身体欠損状態でも同様であり、身体の一部が無いまま犯される。CGからも分かる圧倒的な巨棍でほとんどの場合は最終的に廃人化してしまう。
この二人に関しては、最初は全くの謎だが、各エピソードをプレイすることでだんだんとプロフィールや異常性が分かってくる構造となる。
各エピソードクリア後も続く物語、熱血さとコミカルさを持つ良シナリオ
実は各エピソードクリア後もゲームが続く。クリアしたヒロインは怪人へと改造させられたあげく、廃病院にある監獄送りとなる。監獄には4つの部屋があり、エピソードをクリアするたびにヒロインが各部屋に配置される。プレイヤーは怪人を操作してヒロインと話したり、プレゼントしたり犯すことができる。つまり、本編クリア後のバッドエンドからは、怪人による調教物語へと発展するわけだ。
▲各部屋に入りプレゼントや好きな体位(好感度が上がるほど増える)でエッチが可能。CGイベントも各キャラ3用意。
怪人になり、根暗女は頭と身体が分離するデュラハン状態、体育教師はワーウルフ化、ヤリマンは触手女に…と変化する。つまり化け物になった女の子を愛するシチュになる。また、ヒロイン達は不気味で醜い化け物の女の子ではなく、化け物だけど何らか可愛らしい女の子として描かれる。ドットアニメーションの動きはどう見ても人間時より凝っているし、アニメーションや仕草が絶妙に可愛い。根暗女は顔だけで髪の毛を使ってコチョコチョ歩いたり、自分の両手で顔を持って腹あたりに置いたり…と本当は不気味な描写なはずなのに妙に可愛いのだ。
▲頭だけの状態でのエロというマニアックな世界に突入。逆に頭が別の場所にあり、身体だけ凌辱されているけど抵抗ができないみたいなシチュもある。
▲ドットの表情や動き、ポーズもすごくよい。
甲斐甲斐しくプレゼントなどで世話をして好感度を上げるとだんだんと怪人に依存してくれる。そのたびにエロシーンが変化し怪人に依存していく。怪人は無口系だが、4人の女の子を気に入っているのだなと分かる描写がドットアニメで描かれる。
▲だんだん慣れていき、順応するのであまり不幸さはない。そのため気軽に楽しめる。
また、本編で集めた資料を読むことができる。
▲怪人たちのレポートが記録されている
で、実はここまでで終わらない。本作はシナリオのみならず演出やシナリオを見せる手法も含めて非常に凝った作品だ。
おそらく、まずエロシチュが身体欠損・怪人化後のエロであることは絶対条件として開発企画がはじまったはず。エロは、そちら方面の特色を強調している。可愛い不幸な怪物の女の子を愛するシチュや人間時は凌辱するシチュが満載だ。つまり、普通は鬱状態満載なゲームだし、ゲーム中盤はヒロイン達の精神が壊れてもおかしくないような状態におかれる。が、実はそこまで鬱っぽさは感じられない。
普通はこれらのシチュを行うならバッドエンド確定だが、グロ描写は避けるため、自然事故などナチュラルに欠損ができるようなストーリーにしている。また、最終的に欠損がそのヒロインにとってデメリットにならないようにも配慮している。加えて化け物化や凌辱でヒロインが不幸にならないことも物語を作る上の要素として付け加えている。確かに中途部分は不幸になっているが、不幸から立ち上がる成長物語になっているため、ホラー系でありながら最終的に清涼感は高い。
特にヒロイン達は全員が葛藤を抱えていきている。例えば根暗女は友人ができないことに悩んでいる。この問題は4人共に、最終的に怪人化させられた後、克服している。また、最初は知人レベルであった4人が怪人化後に交流を重ねることで戦友になっていく様も一つの魅力だ。
つまり、まずはエロありきでシナリオを作ったにも関わらず伏線を含ませたり時にコメディ風な笑いどころがあり、熱血で盛り上が絵たりする。マニアックなエロシチュを見事にシナリオに上手に絡ませたため、王道風の物語からズレた一風変わった物語を楽しめる。それでいて各ヒロインが成長して決着をつけていく終盤の様は感動の一言だ。他、怪人化しているヒロイン達だが、その怪人の能力を利用したりと、ある程度身体に折り合いをつけながら熱血物語に組み込まれているのも良い。
加えて演出面でも物語の面白さを強調している。通常は4エピソードのザッピングを楽しんで終了かと思う。が、4エピソード終了後は新たな主人公のエピソードが解放される。また、怪人化後のヒロインを愛でるクリア後の回想を兼ねたおまけと思われるモードも、彼女達のその後として機能しており、単純な調教&エッチだけでは終わらない。そしてその後のラストエピソードのための一時休暇的な側面がある。
また、怪人、謎の女側のドラマも見せ方が上手い。最初のヒロインエピソードでは、無慈悲に追い詰める殺戮マシーン&狂人女のような扱いだ。特に女側の狂い方が半端ないため、脱出時の恐怖はそれなりに感じる。しかし、少しづつ判明していくのは、彼女達側に起こった不幸と解決法だ。何人も無理矢理に怪人化したキャラ達だが、それでいてどうしようもなく人間味のあるキャラになっている。
まとめ
プレイ時間は9時間、回想はそれぞれのキャラに本編7、監獄モード3、+4エピソードクリア後に12の計52。1エピソードは1時間~1時間30分。
まず、シナリオ重視派には間違いなくお勧めしたい作品だ。熱血、シリアス、コメディを兼ね揃えており、伏線の出し方も非常に上手い。さらにシナリオとゲームシステムがマッチしている。サバイバルホラーかと思ったら熱血ストーリーだったぐらい初期印象とイメージが異なる。
そして、女の子の改造を含むハードな凌辱エロ、もしくは改造後の和姦エロというマニアックなシチュを楽しみたい方だ。が、改造は本格的こそあれ、CGやシーン内容から見ると改造して女の子を不幸・肉奴隷にするような感じではなく、改造された女の子を愛でるが似合うようなエッチも大量にある。それゆえ、改造CGそのものはグロくない点はポイントだ。
なお、私は根暗女の怪人化後がとてもお気に入り。まさか顔だけ女に萌える日がくるとは思わなんだ。
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