【エロADVレビュー】宵闇裁判(製品版)

宵闇裁判
宵闇裁判[NormalNEET_Complex!]

タイムリープや平行世界を扱ったSF作品「アンチバタフライエフェクト」や「未来からのキャットライン」で隠れた名作を作るサークルと有名になったNormalNEET_Complex!。複雑な伏線が絡み合う壮大な物語や頭にすんなり入るテンポの良い短い会話、そして小規模での感動的な人間物語とシナリオ面ではプロ顔負けのプロットを作ってしまう、天才的な作者です。

そんなNormalNEET_Complex!が今回扱ったのは、これまでと細部の雰囲気を残しつつもミステリーを追及した法廷物で、逆転裁判をリスペクトしたゲームです。

逆転裁判 + 複数の平行ファンタジー世界

本作は交通事故に遭う直前に助け出された女性「ケンジ」が異世界で弁護士として真相を暴くRPGツクールMV製のファンタジーミステリーです。伏線が得意なNormalNEET_Complex!なので法廷関連の推理だけでなく、何で女性なのに男性名なの?、生きているのに宵闇って不気味な言葉は何?、ケンジは弁護士でないそうだけど、本当はどんな職業だったの?など物語上の伏線もいくつか用意されています。(推理メインなので前2作ほど凝った設定はありませんが。)

逆転裁判をリスペクトした裁判物で、事件が発生した世界に行く→弁護を引き受けて捜査する→関係者を集めて裁判をする→解決、及び後日談と言う流れで1話を消化します。捜査パートは基本、物語を読むだけのノベルゲーですが、一部はユーザーが捜査して死体や血痕など怪しい場所を調べます。この時、様々な証拠や証言が集まりアイテム欄に記録されます。
宵闇裁判_説明
▲重要な言葉は「」でくくられます。

裁判パートは、被告や参考人の話から、矛盾する事柄、その事柄を示す証拠を探し出します。事柄や証拠を探すシーンは特別な推理パートに移り、いくつかの選択肢から正解を探します。間違えるとダメージを追いますが、全回復するチートアイテムがありますので推理が苦手でも大丈夫です。
宵闇裁判_推理1 宵闇裁判_推理2 宵闇裁判_推理3
▲捜査中に入手した証拠を元に、推理中は正解を喋る猫の先にある魔方陣に進むと話が進みます。間違えるとMPにダメージ。

そして真相が明らかになると、あっと言わせる結末などが……。このように裁判を繰り返しながら、少しずつ自身に関わる裏の物語が判明していき、最終章がはじまります。NormalNEET_Complex!は、短い言葉の中に大きな意味を持たせることを得意としているため、会話のテンポが良く、その中にはネタやコミカルなやり取りが多分に含まれます。そのため、大事な事柄が頭に中身がスっと入りながら、楽しくやり取りを眺められます。そして、サクサク。会話もサクサクながら、捜査も要点を「」でまとめながら簡単に把握できるようサクサク、矛盾点の推理パートも、プレイヤーが考えると時間がかかるけど、答え適当でいいやと考えるとサクサク。進みが速いゲームですね。

あまり類を見ない魔法有り魔道具ありのファンタジー裁判

さて、私はある段階で全ての事柄を矛盾無く判断できるジャンルを推理、ある程度推理できるが確信となる事柄は推理できないジャンルをミステリーと認識していますが、この認識でいくと宵闇裁判はミステリーとなります。それでいて、ある段階で証拠を組み立てる事により犯人が分かる推理ジャンルも一部含まれます。その理由は本格的な推理物にしながらも、伏線を利用した感動できるドラマを提供したいと考えたからだと思います。

推理として特異な点はファンタジー裁判であることです。各話で全く文化レベル、魔法の有無、魔道具の存在、科学の発達度が異なる世界になり、プレイヤーも主人公もその世界のルールを知らぬまま、証拠探しと一緒にルールを模索しつつ裁判に挑むことになります。
宵闇裁判_裁判
▲異世界に弁護士を派遣するとの設定なので、どんなに文明が遅れていても、まともな裁判が行われます。これが唯一の現代っぽいルールですね。

正直、これは珍しい題材を取り上げたなと。時代物、明治や江戸だとその時代の捜査手法や裁判に合わせて矛盾なく事件が解決するようプロットを組み立てる必要があります。加えて指紋も使えず証人の尋問や拷問のような古典的な方法で犯人を見つけなくてはいけません。また、ファンタジーだと、その世界の魔法体系なり、独自の仕組みや法律なりと推理に必要な材料を事前に全てユーザーに与えておく必要があります。
宵闇裁判_魔法 宵闇裁判_ヴァンパイア1 宵闇裁判_ヴァンパイア2
▲ヴァンパイアハンターとヴァンパイア。その世界の人にとっては常識でも主人公は分かりません。魔法の体系や制限なども分かりません。そのため、これらのルールも会話で知ることになります。

コンシューマーの例だと逆転裁判系列だと明治を舞台にした大逆転裁判、江戸を舞台にしたえどたんなど、そして特殊能力系だとスーパーダンガンロンパ2は現代が舞台だけど人間がロボットになったり、各人に特殊能力があり、それを考慮した推理だったりします。しかし、この種のファンタジー系推理は作者の技量的な難易度が高いため扱っている作品はそう多くありません。ラノベでも物語に重視を置いたなんちゃって裁判や推理はあるけど、本格的な推理はありません。

しかし、宵闇裁判はそれに真正面から向かっています。少なくとも犯人を見つけるだけの魔法や魔道具、魔物などに関するルール、凶器などの証拠は事前に全てユーザーが推理できるだけの情報を残しています。私自身は、推理物初心者なので偉そうなことは語れないのですが、本格推理が好きな方にもプレイして欲しいなと思うほど、事前の情報は本格的です。現実世界ではあり得ないようなトリックがわんさかなので、もしトリックのネタそのものは古くても新鮮味を与えるでしょう。

愛憎劇と言う名の人間ドラマとセックス

私の少年時代、推理物で人気があった漫画は「金田一少年の事件簿」と「名探偵コナン」です。そして共にある共通点は「人間ドラマ」に力が入っていることです。宵闇裁判も同じく人間ドラマに力が入っています。上記で述べたように文明が全く異なるため、ある時は勇者と魔王が存在する世界、又ある時は魔法と科学が発達した近未来と様々な世界を訪れます。物語全体の主役はケンジですが、各話の主役は、犯人、被害者、関係者……その世界に生きる人々です。
宵闇裁判_キャラ1 宵闇裁判_キャラ2 宵闇裁判_キャラ3 宵闇裁判_キャラ4
▲勇者と魔王の時代に現代司法の裁判とかワクワクしませんか?

事件には動機があり、各人物の複雑な関係があり、事件を経てその関係も変化していきます。魔法が発達した世界の屋敷内密室殺人、その真相は?と言った捜査パートで読者を引き込みつつ、犯人を突き詰めると真実が明らかになり、そして主人公達が帰ったその後は、生き残った人が賢明に生きようとする様を見せて……1話型でそれぞれにしっかりした起承転結があるのです。

ただ、世界観に関しては回収できていない伏線が複数ある点が気になりました。

宵闇裁判_土曜日
例えばこの画像から主人公は土曜日を知らず地球とは異なる次元の住人との推測が立ちます。他にも似たような記述があり、伏線なのだなと思ったのですが、それに対する明確な答えがありません。また3,4話になると、これから盛り上がりそうだぞ!と感じる大きな伏線があるのですがそのまま投げっぱなしに……。ただ、ストーリーとして見るとケンジの物語はきっちり完結していますので、考察用なのか次回作用なのか判断できませんが、これは意図的だし、大枠としては問題無く完成させています。

そして、金田一などでは大人の都合で有ったけど省かれるレイプ、不倫の密月時間、ネトラレ、盗撮……それら一つ一つが物語に合わせて発生します。捜査パートで行われることもあれば、事件解決後の動機で語られることもあり、事件が関係しているだけに生々しさが強かったですね。あと、事件物とネトラレって実は相性が良いことを知りました。
宵闇裁判_精液
▲死体が生前セックスした描写があれば、必ず犯人、又はその章に登場する人物の誰かが、どうしてセックスしたのかを回想として教えてくれます。

今回は1シーンに基本CG1枚、前戯の段階では画像の一部を黒塗りして隠し、胸に前戯が移ったら胸辺りの黒塗りを除去、セックスしたら黒塗りを全て除去のような形で表現していました。
宵闇裁判_ビデオ1 宵闇裁判_ビデオ2 宵闇裁判_ビデオ3 宵闇裁判_ビデオ4
▲捜査中に発見したビデオ。ビデオには教師と生徒の禁断の関係が。そしてこのビデオだけでも捜査に関連する証拠がいくつも。このように宵闇裁判のエロは推理ゲームに出てきても違和感が無いのが特徴ですね。

また、主人公側のエッチとしては魔炎虫と呼ばれる虫との触手姦があります。これは苦痛と引き換えに魔法を覚えるというもので、ゲーム中では現場を再現する、死体から毒物を調査できるなどの魔法を覚えます(つまり推理用の魔法)。変わりに覚える際に苦痛を受ける必要があり、それが虫とのエッチです。最序盤は乳首に注射を刺されて乳房が肥大化というもので、本気で痛がってたのでちょっとリョナ成分ありかと思いましたが、まあ次シーンからは肛姦などセックス関連でしたね。
宵闇裁判_虫1 宵闇裁判_虫2 宵闇裁判_虫3 宵闇裁判_虫4

クリア時間は約3時間、シーンは14ほど。今回はRPG要素を取っ払ったことにより、本当にサクサク進み、純粋に物語として楽しめるADVです。当サークルのゲームは抜きゲとしての購入を勧めれるわけではないのですが、ただでさえ良質なシナリオにエロを絡めることで、臨場感を高めてより一層の完成度を誇っています。個人的にはもっともっと売れてほしいゲーム。本来はこのブログのようなエロRPG情報ブログよりもシナリオを重点的に評価しているブログが取り上げると効果がありそうですが、そっち系の方々はこのソフトにアンテナを張っていないと言う……。

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DLSITE:宵闇裁判

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『【エロADVレビュー】宵闇裁判(製品版)』へのコメント

  1. 名前:ななし 投稿日:2017/06/04(日) 20:55:02 ID:ea15f5d4f 返信

    横から失礼します。
    この作品は、この無職先生のファンディスク的な要素を持っているのですね。
    それ自体でも独立して十分に面白いのですが、
    pixiv 作品の「天道の至り手」を基調とし、3話では、ニコニコ動画時代の、「キモヲタニートが幻想入り」(通称「キモ幻」)シリーズなどが絡んできます。

    とりわけ、「キモ幻」シリーズは従来より一部の熱狂的なファンを持っています。無職先生ファンだったら楽しめること間違いなしです。もしよろしかったらチェックしてみては?

    • 名前:さたける 投稿日:2017/06/07(水) 14:43:04 ID:7e27782fe 返信

      コメントありがとうございます。
      返信が遅くなりまして申し訳ありません。何故かスパム判定されており気づくのが遅れました。

      確か、レビューなどで触れてほしくないと作者が語る過去作品がある噂を聞いているのですが、おそらくその2作ですね。
      一度、該当作品についてはチェックさせていただきます。
      情報ありがとうございました。