サードホーネット(製品版感想)

サードホーネット_予知1製品版感想(スクショあり)


サードホーネット[NormalNEET_Complex!]

*注:本作は伏線の絡み合い上、感想に一部のネタバレを含みます。また、作中で意図的に行っているミスリードに関しては感想でもミスリードを応援するような表現にしてします。

ヒロイン「スズカ」の父親は実家がある村に里帰り。その日のうちに30人を殺害して逮捕されます。温和だった父の凶行が信じられないスズカは姉の同僚で刑事でもある「オカ」と共に村へ調査に訪れることになります。村では人が突然いなくなる事を神隠しと傍観し、村には独自信仰的な神様が2柱いることなど外部の人間には分からない独自の風習があります。そして本当に突然いなくなった人。果たして人がいなくなる原因はは超常的な人意的か、そして父親が豹変した理由は?。
サードホーネット_オープニング1 サードホーネット_オープニング2
▲お姉ちゃん繋がりで出会った二人。オカは捜査したい、スズカは父の真相を明かしたい。二人の思惑が一致して一緒に行動することになります。
サードホーネット_親1 サードホーネット_親2
▲突然豹変した父親、そして面会の時のセリフも何か変。何を隠しているのか。

本作は、様々な謎を提示して幕開ける凌辱エロゲでよく見かける田舎風習系を下敷にしたサスペンス作品。。NormalNeetComplex!の久々のストーリーRPGものです。戦闘とシナリオ選択画面以外の自ら歩く要素を排除しているため、実質のツクール製ノベルゲームです。

アンチバタフライエフェクト」では時間改変、「未来からのキャットライン」では並行世界を扱っていましたが、本作もその系統の題材を扱っています。ただし、その系統のトリックは前2作を踏襲しているため、前2作プレイ者である私には、そこまで時間改変系の驚きはありません。本作が初めての氏の作品をプレイする場合は相当に驚く内容ですが。
サードホーネット_立ち絵1 サードホーネット_立ち絵2
▲立ち絵ありのキャラ達。時間軸によってはオカに恋心を抱くことも。常にオカに恋心を持っている立ち絵キャラもいます。

今回は時間トリック系よりもむしろ、田舎風習系と時間トリックを融合した世界観作り、純粋なサスペンスやミステリー面で力を入れています。本作は序盤や体験版範囲は、村での調査で不可思議な風習やホラーのように人がいなくなる事への村人の反応の薄さなど、田舎風習系特有の話です。ところが中盤になると、村から戻り場面は2人が住んでいる都会での話になります。そして話の内容は異能力関連に変化し、異能力犯罪と捜査、薬物騒ぎなど、話は異能力サスペンスに変化します。さらに後半では、この2つの話がどんどん融合してきて、さらには序盤から仕込んでいた伏線が開花し、とてつもない壮大な盛り上がりをみせます。世界観好きは今作も十分に満足できることでしょう。
サードホーネット_予知1 サードホーネット_予知2
▲スズカは生まれつき「予知」の能力が使えます。この能力で友人を救いながらも、その後は友人達に恐れられる描写が序盤にあります。中盤以降はこれら能力のぶつかり合いになることも。

その他、今作からの特徴的な手法は、話の構成が群像劇っぽいこと。強いて言えば主人公はオカとスズカですが、明確な主人公がいません。話の中心がオカ視点もあればスズカ視点もあり、別の●●視点もあります。物語の核心となる出来事が起きる時の視点が第三者の時もあります。

氏の話の面白さは、世界観作りと、細かな日常会話が共に練られていること。そのため、世界観を理解できるまでは日常会話でひたすら笑わせてくれます。例えばオカは幼い頃の恋愛を失敗した影響か、女性に積極的になれません。そのため、スズカの頃を「ロリコンには興味が無い」みたいな態度で接します。その一方でスズカは自分の体型にコンプレックスを持っており、「ロリコン」に反応して微妙な態度を見せます。そのあたりのやり取りが3行コントになっているのですが、何度も言い回しや表現を変えて出てきます。
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▲最初はオカがからかったり対外的な話を使うための表現として使用。
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▲スズカは自身の体型にコンプレックスを持っているため、何度も言われると反撃するように。
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▲慣れてくると、このネタが面白くなってきます。

なお、ヒロとスズカのやり取りを中心に紹介しましたが、ヒロと各ヒロインとのやり取りも十分に用意されています。

そのたびにプレイヤーには笑いを伝えていますが、その傾向がある時から、オカがスズカを「幼体型」に見ていることを微妙に思うような表現が増えてきます。次第にスズカがオカに向ける感情が変化して……。このような恋愛の流れが、説明文やその人が思っていることを文章で表現するような手法を一切使わず、全て日常会話から判断できるように物語を動かしています。

この手法で各登場人物がストーリーの進行に伴って変化する感情を伝えながら、裏で動く黒幕達の影響による事件の発生も併せて物語が動きます。
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▲村人がオカ達を嫌って話しかけようとすると逃げてしまうことを表現。この系統の比喩的な言い回しもよく出てきて面白いです。

あと、小ネタが多い。村には外から来たフリーのカメラマン、「トミー」が登場するのですが、どの時間軸でも最初に行方不明になる人物です。まるで時報ですね。

エロシーンはオカと各ヒロインとの和姦系、及びある時間軸が変更する前の凌辱劇という点では過去作と共通です。本作独自のエロシーンで言えば催眠に近いようなロボトミー化でしょうか。氏の過去作の自己愛(たぶん、そのゲームをプレイしていたらどのゲームか分かると思いますが、重度のネタバレなのでタイトルは控えます)と同レベルでシナリオの根幹から組み入れています。いずれにせよ、氏のエロシーンは本体そのものではなく、このようなシナリオと組み込んだエロが本髄ではないのかなと思っています。
サードホーネット_エッチ1 サードホーネット_エッチ2

さて、不思議に思ったのが紹介文に書かれている「※過去作のキャラクターがちょろっと出演しますがいわゆるスターシステムであり物語の繋がりは有りません。」。補足すると、過去作の登場人物かどうか、自分の過去の感想を読んで判明したキャラもいるぐらいの私が物語を楽しむ上で困ったことが無いので、過去作未プレイでも問題ないと思います。

ただ、突っ込みを入れたいのが「ちょろっと」??????

未来からのキャットライン」は主人公オカがゾンビの出る並行世界であれこれするサバイバル物語です。そう、本作でメイン的な活躍をするオカと同一人物です。役割も世界観も異なります。(本作の世界観を考えるとキャットラインの最初の世界線と同一かどうかも怪しい)。そもそも将来的に結ばそうなメインヒロインが異なります。その他もちらほら過去作と登場。

「物語の繋がりはありません」としながらも将来的に「世界設定の繋がりはある」可能性も。物語作品の前作にあたる「宵闇裁判」から過去作のキャラが登場することが増えましたが、将来的にはドラクエシリーズのような各作品間の関わりみたいな考察が面白そうなサークルに変化していくかもしれません。「未来からのキャットライン」が並行物を扱っているだけに、設定が成り立っているのがなんとも。

他、このスターシステムを効率的に使うためなのか、明らかな敵キャラで過去作準ヒロインキャラが登場する面は興味深いです。敵なのでオカを抵抗できないようにして逆レイプするなんてことも。

プレイ時間は5時間ほど。物語を凝縮しているため、密度の濃い時間を過ごせる1作になると思います。いつものようにエロRPGを探している方にはお勧めしないけど、良質サスペンスADVを探している方には絶賛したい作品です。しかし、毎作思うけどNormalNeet Complex!製のツクール作品は普段ノベルミステリー作品をプレイする人が知るべきなのに、エロRPG好きにしか伝わらない点は勿体ないです。伝えるべき層に伝えることができたら人気になる作品なのは間違いないと思うのですが。

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