プリンセスナイト・ローズ[だるま屋] (FANZAはこちら)
世の中のゲームは既存のゲームをアレンジしながら時に新機軸のゲームが産まれるものですが、本作はまさにその条件に当てはまる新機軸のエロRPGと言っても過言ではないでしょう。流れとしてはエロトラップダンジョン調査→冤罪での刑罰で娼婦業をこなした後死刑→逃避の旅で第三のエロトラップダンジョンとなります。
良質なエロトラップダンジョン系ゲームで、ダンジョンには触手や股縄トラップ、ミミックなどがわんさかおり、場合によってはわざと罠にかかるようなダンジョン多数。戦闘は無く、罠にかかることによるゲーム的なデメリットもありません。思う存分にエロトラップを堪能することができます。また、「フランと罪人の島」や「くノ一牡丹」のように中盤、強制的に調教を受けるシーンを大ボリュームで行い、そして前半と後半で主人公のエッチに対する感性などががらりと変わってしまうようなエロ傾向です。他、本作の中盤は「ルシア・スクリプト~千年王国の姫君~」のような敗北バッド後の町エロを延々と描くような内容です。そして、その状態をテキストだけでなく、エロステータス系の数値で表現していることにも注目です。
虐げられてきた王女が自分の生き方を見つける物語
物語よりもエロに重点が置かれたゲームですが、シナリオという点においても久々の力作です。主人公はひたすらエッチなことをされるわけですが、そこに政治的な配慮や思惑が隠れています。
赤目と虐げられつつも将軍として活躍してきた王女ローズは、ある日極秘に接触してきたレジスタンスの安否が気になり彼らのアジトに向かいます。ところがアジトの中は肉解と触手蠢くダンジョンになっており、生きた人間が見当たりません。そして、それをレジスタンスと王女が繋がっていた証として捕縛、無罪の証拠があるにも関わらず彼女を持て余していたローズの姉である王国の女王は30日間の娼婦的活動による罰則と死刑を言い渡します。本作は無実の罪で意図的な冤罪を被せられた王女ローズが、逃避する方法を模索する物語です。
▲マイナス思考で感情表現が豊かな女性。彼女のマイナス思考を少しずつプラスに変化させていく物語でもあります。
まず、物語として見るべきはローズの成長。この世界では赤目は嫌われておりローズは幼い頃から王女でありながら迫害の対象になっています。この設定は全編に渡って生きており、過去の回想では馬鹿にされたりいじめられたり、そして現在でも人と話すと1人の場合は基本的に無視されます。2人組の場合はひそひそ話など。まともに相手をしてもらえません。
また、娼婦になってからもこの状態はより悪化しており、「いじめっ娘女の子に媚薬を嗅がされたあげくに一定ごとに絶頂させられる催眠をかけられたあげくに荷物運びを手伝わされる」「騎士団に訓練という名の嬲りを受け敗北後に輪姦レイプさせられる」など死刑囚になったことでより悪化。
▲陰険さが目立ついじめ。町エロではいじめエロもいくつかありますが、エロ関係無しの部分の陰険さが怖いくらい。
そんな環境で育ったローズは、自分に自信が持てず、自分を認めて欲しいと思いつつ他者のことを考える人間に育ってしまいます。死刑を言い渡されても「それが姉上のためになるのであれば」と絶望しながらも認めてしまうような考え方。ただ、それでも彼女のそばにいた副団長の男やローズに危機を助けてもらった女将軍は、この周りが全員敵な状態のローズを助け出そうと奮闘しています。それは信念であったり、恩であったり。そして、彼女に他者のためだけでは無く、自分のためにしたいことを考えなさいと諭す先生的な約割も果たし、彼女は少しずつ変化します。
▲頼りになるけど、ローズは彼らに迷惑をかけれないと遠ざけようとします。果たして…。
果たしてローズは彼ら彼女らと一緒に脱出し死罪から逃れることができるのでしょうか?
さて、本作はローズが虐げられている状態からどう逆行するかという物語ですが、その一方で拡大路線を歩む国の内部重鎮達がローズを使って代理戦争を行っている物語とも言えます。本人は善人の塊なので全く意図していませんが、ローズの行動は立場あるキャラの今後を大きく変化させ、またそれを理解している権力者達も水面下で激しく対立しています。
また、本作は勧善懲悪になっておらず正義も悪もいない物語であることも特徴です。ローズの立場上、女王は意図的にローズを使い捨てて冤罪を与えた人間、公王は野望のために必要なローズを罠にはめて娼婦へと堕とした男、そして女王と公王は裏で対立しているという目線で描かれます。公王は自分に従わぬ者を容赦無く弾圧していますし、女王はローズを利用して勢力図を大幅に拡大しています。つまり表面上は悪役に見えるわけです。
▲物語パートは作者に語力があり、それを噛み砕いた文章のため、読みやすく読み応えもあります。
しかし、公王は孤児のための対策を練るなど民への配慮はしっかりしており、女王も名君と讃えられています。また、公王は逆らう人間を弾圧していますが、レジスタンス側も公王に政権を握らすのは危険と考えるまともな考え方だけでなく、政争で敗北した傲慢な貴族参加しているフシもあり一枚岩ではありません。
つまり、敵側にもそれなりのカリスマがあり一定の魅力があります。また、ローズの行動はお人良し過ぎる感じもしますが、各キャラの動きに妥当性があります。行動や作成立案も考えられたもので説得性があり、ローズの行動する舞台は権力者の頭脳がぶつかり合う場にもなっています。
誰が正義で誰が悪というわけでなく、生々しい人間のエゴがぶつかりあった物語と言えます。まあ、本作の中で暗躍している淫魔1匹だけは明確な悪ですが。なお、補足すると他にも淫魔が登場しますが、他の淫魔はそれぞれしっかりしたエゴを持っており、エゴによる対立や共存があります。
潜り抜けろ、エロトラップダンジョンの罠
さて本作のゲームはエロトラップダンジョンが基本となっています。タイプの異なるダンジョンが3種用意されており、全てをクリアするとエンディングになります。
1つ目のダンジョンはレジスタンスのアジト。消えたレジスタンスの行方を探すために触手蠢くダンジョンを調査します。調査の過程で彼女の悲惨な過去も明らかになりつつ、エロトラップの魅力に溢れたダンジョンシステムも理解していきます。
完全にエロトラップとして作られており、戦闘エンカウントは一切ありません。敵シンボルに接触すると剣や鎧装備時は剥ぎ取られるだけですが、裸になってからはエッチ画面となります。各トラップは初回のみテキスト+CGですが、2回目以降は1クリックテキストか、テキスト無しCG(差分を使って簡易アニメーションのものもあり)で表現。単純に敵シンボルだけでなく、触手に塗れた穴の中を潜ったり、押したり引いたりすると嬲られる触手石を動かして倉庫番みたいなことをするなど、様々なパターンのエロトラップを用意。特に個人的にツボだったのは股擦り縄を伝って通る通路ですね。
▲縄渡りトラップ
▲触手壁の中を歩くトラップ。触手マスの間は常にダメージを受けます。
たまにイベント用のテキスト重視なトラップも登場。今後の娼婦イベントやテキスト有りトラップイベントも同様ですが、とにかく数値にこだわっていることが特徴。普通のエロテキストの合間に「〇〇はAで発情が●●増加」のような数値変化が何度も登場します。数値エロに魅力を感じる方にとっては、興奮する大きな材料であり本作の魅力の1つです。ただし、数値エロあんまりと考える方はくどいぐらいにこの種の表現が登場するので、面倒臭さを覚えるかも。
数値の基本となるのは発情・精神・性感・自尊パラメータ。エロトラップに遭遇すると発情・性感パラメータが上昇します。そして精神が減少。ところどころで選択肢が出現し、発情 > 精神の場合は強制的にエッチに身を委ねる系統の選択を選ばされます。ですが、まぁ第一ダンジョンでそれら選択肢を選ぶことはないでしょう。それに合わせて、口・胸・肌感度などの数値も上がっていき、上がることで受けるダメージも増大していきます
第一ダンジョンでは一般的な数値ですが、物語が進むごろの数値はハイパーインフレと言ってもおかしくないほどの上昇率を示します。そして、インフレの理由は敵が強くなったわけでなく、ローズの性感パラメータが上がったからです。性感数値の計算が綿密に寝られています。
それでいて興味深い点は、この数値がどれだけ大きくなってもダンジョン攻略上でそこまで不利にはならないこと。つまりプレイヤーがエロを楽しむことで大きなデメリットはありません(後述の町探索では仕事に影響がありますが)。数値が大きかろうが小さかろうがダンジョンは進むことができます。
▲その時もヒントなどは考慮ボタンで見ることができます。ちなみに発情が上がってイくことしか考えられない状態でこのボタンを選択すると……。
肉体変異と永久に消えないバッドステータス……中盤の強制娼婦業からの後半エロトラップダンジョンで連続絶頂の嵐
2つ目のダンジョン前でローズは冤罪で死罪を言い渡され、それまでの間に30日間の強制娼婦を言い渡されます。淫魔による調教により娼婦として鍛えられたローズは町の人に身体を売る日々を送ることに……。
▲全裸発情状態にて市内引きずりの刑
毎日、夕方、深夜の2回、町を探索し仕事をするか、不特定多数に身体を売ると次のフェーズに移行します。また、借金を負っており、一定日ごとに返済を迫られます。死刑囚の身なので本来は払う必要もありませんが、払えなければ淫魔による罰が待っており、後述する強力で永続的な後遺症を負ってしまいます。並行して町からの脱出調査も行うことになります。つまり、娼婦として働きながら、定期的に借金を返済しつつ、合間に情報を集めていくことになります。
▲合意・無理矢理問わず不特定多数にお金をもらわず抱かれると評判が下がります。
なお、ある程度の謎はダンジョンを力押しして無視できるような仕様になっていますが、それでも一部の謎は相当迷いました。ダンジョンの場所、そして淫魔と接触する方法……。この辺りはもう少しヒントなどの配慮が欲しかったかなと思います。
▲謎が解ければダンジョンも鍵を使ってスルーできます。鍵を使わず無理に進むことも可能なのでダンジョンの位置さえわかればそれほど迷わないかと(私は位置が最も迷ったので時間を使ってしまいましたが)。
ここからは進め方にもよりますが、底辺のどん底に落ちるか、高級娼婦としてのし上がるかの2パターンに分岐します。娼婦として真面目に仕事をこなすと評判が増え次第に高級店での仕事ができるようになります。ところがその辺の通行人に捕まって身体を提供してしまったり、本番を提供していない店で快楽に負けてセックスをすると評判が減っていき、次第に飲食店なども雇ってくれなくなります。まともな仕事先も無くなり肉便所など底辺の仕事をすることに。また、この章では選択によるバッドエンドもいくつかあります。
仕事はレストランの給仕やダンサー、キャバクラなど。評判が上がると本番ありの娼婦、高級店で働くことができます。レストランでは、実際に客に注文を聞いて、その品物を持っていきチップをパンツの中に入れてもらいます。この時に発情 > 精神だと強制的にエッチをお願いすることになり仕事失敗。お客にちゃんとした品物を提供すると情報が入手できる場合も。
ダンサーは、舞台の上を移動してお客の前で踊ります。この時、お客が触手ブラなどのオプションを要求してくることも。異なるお客によって要求するオプションが変わり、オプションが付いた情報でとあるおじいさんに話しかけると情報を入手します。
キャバクラではお客とお話をしますが、お酒は必ず飲まなければいけないルール。このお酒に媚薬が入っており、発情が上昇。お客の誘惑を耐えきると情報を入手し、仕事も成功となります。
さて、ちょっと特殊なのは仕事をし続けると「後遺症」を得てしまうこと。例えばダンサーとして働き続けると「露出好き」になり、さらに続けるともう1段階アップします。するとダンサーやレストラン給士時のセクハラで受ける発情がより大きくなり、まともに接客できなくなり仕事に失敗しやすくなります。この後遺症は一度取得してしまうとクリアするまでに解けることは一切ありません。そのため同じ仕事は何度もできなくなります。
他、仕事ではないのですが、観客が大勢いる中で即席のエロトラップダンジョンに潜るようなイベントも(報酬あり)。
この後遺症は仕事だけでなく、上述したダンジョンや淫魔によるお仕置きでも発生します。まず、この娼婦業が始まる前に徹底的な調教を受けますが、この時は「消えない疼き」を取得し何度絶頂しても子宮が飢えるようになります。これは自動発生のメインイベントなので大きなデメリットもないのですが、お仕置きは別。特に身体を作り変えるような内容で乳房に特殊な蟲を仕込んで巨乳化させちょっと触られただけでも感じてしまう乳房に変貌し、クリに蟲をつけて何度もイかせて陰核肥大化になると、パンツ系を履いて歩くだけで発情がインフレ上昇してしまうようになってしまいます。明確なデメリットがあり、クリアするまで解けません。仕事でその部位をいじられでもしたら一瞬で快楽の虜になり仕事も失敗です。
▲デメリットが大きい罰。そして数値エロにとっては今後ダメージ数が一気に跳ね上がる歓喜イベント。
それでですね、この第二ダンジョンの後半、この後遺症を得てしまうイベントを受けないと先に進めない展開になります(もしかしたら正攻法があるのかもしれませんが、私は見つけることができませんでした)。もう貞操帯を装備しないと数歩進むごとに勝手にオナニーをしてしまい、誰かからセクハラを受けると簡単にイってしまうような状態。
これが、第三ダンジョンでも継続します。第三ダンジョンは第二ダンジョンのように町で謎解きしながら進むダンジョンでは無く、第一ダンジョンと同じ系統です。失敗すると襲われる一筆書きパズル草や対になっている草の片方から花粉を貰い、もう片方の植物に膣内を貸すと道を通してくれる植物など新たなエロトラップも登場しますが、第一ダンジョンと同じトラップも多数登場。
また、第三ダンジョンはローズのお供が1人います。お供がエロトラップの内容を紹介したり、またお供とのエッチでローズの心を癒していきます。
▲ローズが淫乱でも馬鹿にしない(むしろ喜ぶ)淫魔さんがパートナー。これがまた、けっこう良いキャラしています。
そして第一ダンジョンと大きく違う点は、第二ダンジョンですでに様々な後遺症を身に着けてしまった身であること。第一ダンジョンでは身軽に動けたのに、同じ罠にかかったとしても1回でイってしまい、以後休憩所につくまで常に身体が敏感で1歩進むごとに性感ダメージを受けるような状態。毎歩イベントが発生するので多少面倒臭さがありますが、ステータスによるエロさは抜群です(早送りできるので、そこまでマイナス要素ではありません)。
▲いつもイっている印象が残ります。
第一ダンジョンの頃は時間経過で発情は下がり、精神は上がるように調整されていましたが、この段階だと身体が開発されすぎて時間経過で発情は上がり、精神は下がるようになります。つまり常に淫乱度が上昇しているような状態。受けるダメージ数が、第一ダンジョンは10~100程度だったのに対して10000~10万もの性感ダメージ。新種のトラップもありますが、既存トラップでも同じような状態。この全編を通してだんだん大きくなる数値や後半の常に上昇する淫乱的数値など前半との対比が数値エロ好きにはたまりませんな。
クリア時間8時間ほど、回想は長め34、短め27。数値エロ、ステータスエロ、トラップダンジョン、シナリオ構成の良さ(エロ・物語両方とも)をそれぞれしっかりと作り込み混ぜ合わせることで、オリジナリティがありシコ度も高い名作となっていると思います。
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