ナイトテール[さーくるくらすけ倉庫] (FANZAはこちら)
攻略は以下のページに記載しています。
人の夢にとり憑き、記憶を奪う夢魔を倒す初陣を迎えた主人公「夜」。初任務は大成功。しかし、夢魔を使って人を深層の世界に拉致しようとする勢力から夜を逃がしたため、姉が行方不明になります。夜は姉を取り返すため、そして企みを阻止するため、夢の深層、敵の勢力圏に入り込み、夢魔を祓う者「ナイトテール」として活躍することになります。
本作は夢の世界を冒険しつつ、現実世界(現代)では町探索のエッチイベントを探すエロRPGです。本格的な熱血物語を楽しみつつ、魅力的でコメディさもある登場人物に引き込まれ、そしてシナリオは重圧、エロシーンは調教や薬をメインにしたコアなシチュで全年齢部分もエロ部分も豪華なRPGとなっています。
前作では、序盤に全年齢RPGと思わせながら、中盤にハードな調教シーンを挟むエロとシナリオが融合したメインストーリーが魅力的なゲームでした。反対にナイトテールは、メインシナリオにエロシーンを一切走らせず物語に注力する作りをしています。その代わりに戦闘敗北や各章で助かった人々のその後を追うサブイベントにてエロシーンを行う仕様になっています。いわゆる全年齢熱血RPGにエロが付随した形。
夢の深層世界を巡る熱血人間ドラマ
夢の世界は各地区で分かれており、それぞれの地区でテーマがあります。夢のため、現代ともファンタジーとも異なる世界観の自由さで各ステージを初めて訪れる際は期待感でワクワク。第一地区は一種のコスプレ感が漂う現代人が住まうファンタジー王国、第二地区は生徒会権力の元、過ごす学校、その次は無人島など地区が異なれば様相は全く異なります。
▲区域ごとに生活感が全く異なる町とダンジョンが用意されています。
▲夢の世界で悪夢に囚われている人達を救っていきます。
前作「フランと罪人の島」でも言えることなのですが、「さーくるくらすけ倉庫」は登場人物の性格を上手く拾って、日常シーンのコメディを作り上げる手法を得意としています。シリアスシーンでも、この傾向があり緊張を和らげる効果とジョーク的な面白さが合わさっています。短い一言や無言の笑顔など破壊力を持つこともあり、その人物がその時に言うセリフや行動は相当に意識して製作していることが分かります。日常シーンのコメディ会話はエロRPG界でもトップクラスの面白さだと思います。
▲聖水を注げば通れるようになるギミックを見てのやり取り。この系の茶番が本当に上手く、毎回笑わせてもらってます。
▲いかにもな線がダンジョンに敷かれており、いざ調べてみたら煽られた時の反応。ゲーム的にはアイテム入手無しなのですが、この反応だけでプレイヤーはニヤニヤ。
▲敵管理人と会うため、お妃試験を受けて敢え無く撃沈してしまった時の夜。
夢内は、2人の男性サポートの元、探索します。夢魔を許さない正義感、甘えん坊で泣き虫な私生活、人(主に2人の男性)をからかう小悪魔さが入り混じっています。2人の男性のうち1人は「臆病だけど知的」、1人は「お調子者だけど頼もしい」。行動は夜単体で行いますが、各地区は通信等で3人の茶番のネタとなっています。
▲基本的には正義感が強いキャラなのですが、時折見せる泣き虫や無邪気さが可愛い主人公です。
▲身内のような接し方で軽快なやり取り。
夜とは別に夢魔と戦う「真白」という夜の住む町に引っ越してきたばかりの人物もいます。言わば副主人公的な存在で、要所要所で彼女視点のイベントやダンジョン攻略が挿入されるキャラ。明るい社交性のありそうな女の子で正義感も持つ、主人公でもおかしくない正統派ヒロインとして描かれています。お供のマスコット(喋る羊)も健在。マスコットも明らかに夜の姉が何らかの理由で記憶喪失になった上で羊にされたことが分かる描写です。
▲本編では裏編のような扱いだけど、実際は夜以上に活躍しているんだなと思えるキャラ。
▲主人公2人のやり取りはここだけであり、基本はお互いを知らない間に共闘関係になっています。
夜と真白の関係は、お互いに夢で戦っていることを知らずに近所付き合いをしている関係。いずれ訪れる彼女との共闘は一種のカタルシスがあります。
また、キャラ描写の面で言えば、悪役キャラにも相当力が入っています。各地区には管理人と呼ばれる敵の幹部的役割が立ちはだかります。本作の悪役はナイトテール側や人間側(つまりプレイヤー)から見て行動そのものは悪です。しかし、幹部達はどうしようもなく人間そのものです(鎧の御仁だけは違う世界観に生きている感がある)。心に弱さを持っており、能力や境遇、愛情の暴走や善悪の価値観の相違の結果、敵側勢力にいます。絶対悪キャラは一人もおらず、本作の戦闘や策略はエゴのぶつかり合いの結果です。
▲敵幹部女の子達。彼女らにもシナリオでの活躍だけでなく、日常シーンでの可愛い見所もばっちり
▲明らかにこの御仁だけ、硬派。
▲見た目も言動も1話退場のボスに見えますが……。
幹部達のその後も大事です。人に迷惑(夢の世界での強姦など)をかけた人間には罰がくだります。ただし、罰を与えてざまぁしたから終了となるキャラは一人もいません。「罪・反省・更生(罰が無い場合もある)」がセットになっており、序盤は悪役だけで終わったキャラが後半の見せ場になることがあります。
各人物のドラマに加え、夢の深層に関する世界観設定、後半の怒涛の熱血展開、物語の締め方などプロット構成に関しても練られており、総じて質の高い物語を楽しむことができます。
サブイベント集めなどRPGとしての面白さも充実
ゲームとしては現代町1つに加え夢では複数の町ありダンジョンあり、フィールド無しタイプのRPGです。町の住人が多く、ダンジョン内にモブもおり、モブ会話成分は高め。ダンジョンは敵シンボルを交わしやすく、装備品購入費もすぐ溜まるため、ダンジョンの多いに反比例してストレスはあまり溜まりません。
戦闘の特色は回復系のスキルが一切なく、消費アイテムの所持数に限りがあること。回復アイテムのストックさえあれば本編のボスはそれほど強敵ではありません(ゲーム進行の妨げにはならない)。また、BP(ツクールのTPに該当)によってターン経過無しに利用できるブーストスキルが本作独自の駆け引き部分になります。
そのターンのみ攻撃力上昇、防御力上昇などの効果があり、一度使用するとクールタイムもあります。敵によって、どのタイミングで使うかが重要となります。また、スキル・ブーストスキルの半数は特定装備品を装着時のみ使用できます。そのため、ボス戦での装備品の選定が重要です。メインイベントで、駆け引きが必要なほど苦戦するボスはほぼ終盤のみですが、一部サブイベントはこれらスキルを駆使して倒すことになります。
夢の世界ではメインイベント以外に一部のサブイベントが同時に発生しています。例えば最初の攻略地第一区域では「王様(管理者)に会う」以外に「薬草探し」や「町隣りにある廃屋ダンジョンの調査」などのサブイベントを同時並行で進めることができます。また、各地区クリア後は真白イベントが発生しますが、加えて真白専用のサブイベントも1つ追加されます。
そして夢でのサブイベントをクリアすることで、夢に囚われていた人物達を助け出すことができます。本編シナリオが現実世界に与える影響は薄い(あくまでゲームシステム的な話で、もちろんシナリオ的な意味では濃い)のですが、サブシナリオクリアは現実世界でキャラが追加されます。そして現実で追加したキャラを追うことでエロイベントが発生する仕組みです。
これらサブイベントに本編との繋がりはあまりありません。夢の各地域があるから生まれた事件という扱いです。ただし、夢のサブクエ、現実のエロイベントを追うことで、本編とは別の且つ本編に関係ありそうな事件の伏線や前フリ、微かな違和感を感じ取れます。現実で起こるエロイベントは別個の事件なのに、核心は1つにまとまっていそうな奇妙な違和感があります。その違和感が解放される時、一本道のシナリオでは得難いカタルシスを味わえると思います。
調教され身も心も変化する女キャラ達
さて、エロイベントは上記でも記載した通り基本は現実世界で発生します。そのため、夢の世界での学校や王国、無人島などはエロシーンの舞台から一切が除外されます(一部最終盤では夢シーンもありますが例外)。ボス戦敗北関連も、主は夢で調教されて最終的に現実で……と、あくまで現実でのエロがメインとなります。
メインシナリオでは夜が主人公、真白が副主人公の扱いですが、エロシーンはほぼ同等を用意しています(真白の方が段階差分量が少ない点はありますが)。エロシーンのテーマは前作と同じく「調教」、今作独自の要素は「薬」。この2点が大抵のエロシーンに関わってきます。調教は、鞭や蝋燭などの痛い系統ではなく、エッチによる快楽で屈服する系統です。
前作はストーリー密接型だけあったため、調教後の後半の日常シーンにも調教され尽くしたエロさもありました。本作は、メインシナリオとサブシナリオが別個に動いているため、このシナリオ的なエロさはあまりありません。また、前作は2つの調教シーンに時間を相当かけて、監禁調教のエロさを存分に出していました。この点も複数シーンを用意したため、監禁調教は1エロのわずかなシーンになったことも否めません。
代わりに1つのシーンに対しての段階差分を取り入れ、「徐々に身も心も尽くすよう」身体が開発されていく様子を描くことにフォーカスを変えています。エロRPGの主流であるセクハラ恥辱系よりも、近年はマイナーになりつつある「調教による快楽」を追求しています。近いエロRPGでは「誰にでもできる村の復興計画 ver1.07」などが該当するかと。前作よりも調教変化のバリエーションも増えて、横方向で内容に厚みが加わっています。
ロリ体型の夜と巨乳ロリ体型の真白、加えて一部シーンは2人の立ち絵あり女性キャラも被害に遭います。最初は屈しないと思っていた主人公達も最終段階では、完堕ちします。戦闘敗北でも完堕ちします。ご主人様にご奉仕するよう作り変えられます。
夜は「可哀想な中年おじさんの泣き懇願による仕方無しのエッチ」「売春を含む怪しいバイトの調査」「口留め監禁」、真白は「痴漢青年と仲良くなって」「弱みを握られて」「催眠売春」。共に1つは和姦っぽい内容、1つは男側による調教、1つは監禁・催眠など主人公側が抵抗できない状態での内容です。
▲催眠にかけられた後、歩行キャラで売春したり催眠をかけた方達とエッチする個人的に一番グッドだったシチュ。このイベントも段階的に催眠中の行動が変化していき、最終的には……。
▲弱みを握られ、そのままエッチな命令を聞くことに。いきなりセックスすることはせず、段階的に快楽を引き出していきます。
▲監禁イベントの序曲。この後、閉鎖空間にてキャラを操作する特殊イベントに移行します。
戦闘敗北系は主に敵キャラによって調教されて、現実で身も心も奉仕するようになる内容です。催眠による調教、暴力による調教、調教する意義など各敵によって展開そのものは大きく変わります。特に調教系や売春系、催眠系に関しては、閉じ込められて脱出できない中、自ら動いて調教・売春されに行くような趣向が凝らされています。調教が進むと身も心も尽くすようにセリフが変化していきます。
▲第一地区のボス戦に敗北すると徹底的なアナル調教を終えた上で現実のホテル前で操作できるようになります。そしてホテルで待ち合わせの場所まで来ると……。
メインシナリオとエロがほぼ分離している本作ですが、各地域クリアごとに淫乱度に該当する欲望の上昇が可能になったり、新たなサブイベントが増えるため、ゲーム全体として見ると、定期的にエロシーンが見れる作りです。また、エロシーンの完堕ち状態から考えると途中まではメインシナリオとの違和感の差を感じますが、終盤のメインイベントは明らかにこれらエロシーンを経過したかのような演出も加わります。
最後に1点語りたいのは、エンディングの町を自由に回れること。モブやサブキャラ達と話すことで各キャラがその後何をしているのかが分かります。また、回想を通じてボスを倒す前の状態とのフラグ管理の行き来が自由です。
プレイ時間は15時間ほど、回想は夜・町(基本4、段階含め25)、夜戦闘(基本3、段階含め7)、真白(基本3、段階含め15)、真白戦闘(基本3)、サブキャラ(2人×段階4)の合計基本15、段階含め55となります。シナリオに熱血方面の力が入っているエロRPGは久々で、且つエロ方面に関しても調教・快楽堕ち系の段階差分としてなかなかの出来。物語もRPGもエロも良いゲームでお勧めです。
コメント