アナスティーマティーパーティ ~ある薬師の大いなる悩み~[トキノコギリ]
アルは身長の低い自分にコンプレックスを抱く高名な薬師一族の長男。人見知りで引きこもりで屋敷のメイドや妹達以外にはなるべく姿を見せない男主人公です。アルが身長を伸ばすために作った薬を妹とメイドが飲んでしまい、身長を伸ばすどことか、巨大化してしまいます。アルは彼女達2人を元に戻すため、謎の女商人に依頼して素材を入手しながら製薬をすることになります。
▲チビ&普通の美人さんだった二人が巨大化。
RPGエンジンのノベルゲーム色が強い作品で、メインシナリオははノベルパートを読み進めつつ、日常パートでは屋敷を探索しつつ、依頼を受け製薬していきます。ウディタを根本から改造しており、マウス操作オンリー。イベント中はエフェクトに加えて、タイル側画面の拡大縮小、キャラチップの大きさによる身長差異表現など心地良く物語を読めるよう工夫しています。ここまで背景関連がしっかりしていると、やはりVNエンジン産のノベルとは一味異なりますね。
▲巨大化していないメイドと巨大化した女の子の歩行キャラ差。ちなみに主人公アル君はメイドの半分です。
ストーリーは章形式で進み、各章には難易度が日常より高めのパズルパートがあります。条件を達成すると挿話集としてサブエピソードを読み進めることが可能。
そのため、日常パートで簡単なパズルを解き、名声やお金を入手。お金を使って商人からパズルパートで必要な素材を購入します。章はメインとなるアルルート以外に各ヒロイン分用意しており、アルルートを一定以上進むとヒロインも章ごとに進めるようになります。
▲巨大化二人がばれてしまったと想像した時のアル。商人が何故か巨大化のことを知っている原因を後ろを向けばと教えられて向いたら。コメディ系も随所に挿入しています。
日常パートは、屋敷内をあちこち移動。背景画像の中側にマップ画面があります。商人とお買い物したり、屋敷内のキャラと交流してSP(依頼を受けるのに必要なポイント)回復などを計ったりします。現存は、大きなサブイベントがこの屋敷移動で発生することはありません。
エロの内容は身長差が大きな女性に欲情してしまうマニアックな性癖を突いたゲーム。元々背の高い巨乳メイド、巨大化した妹、巨大化した使用人そして陽気な女商人がヒロインとなりつつ、製品版以降ではあぶらそば日和「眼鏡の魔女っ子がひたすらセクハラされるRPG」の主人公マヴィや+1名が登場するようです。体型は大きいだけでなく、若干ふくよかなキャラが多め。ことあるごとに見降ろされる描写が加わります。
▲そして巨大フェチを表現する様々なイベント
▲巨大化キャラもこのようにコメディになることが。インパクトあります。
マヴィや女商人系はおそらく普通のおねショタものとして、そして巨大化した妹などは、身長とてつもなく高い&甘えん坊な妹というギャップさもアピールしています。普段は平気だったアルは何故かそんな妹や使用人に近づかれるとドギマギしてしまいます。そして身長高めのメイドに「それは性癖」と自覚させられ、彼女によって優しく抱きしめられて、頭を撫でられながらの手コキを受けます。
▲体験版唯一のエッチシーン。胸の揺れに加えて手コキと頭を撫でる動作それぞれがループアニメとなっており、特に手コキは速め、頭撫で撫では遅めであることにこだわりを感じました。
そして、製薬(いわゆる普通のRPGで言う錬金)はパズルです。私がパズルで大事だと思うのは、「ルールがシンプル」「論理的な解決ができる(閃きよりもロジック)」「斬新性がある」の3つです。本作の製薬は全てを満たしています。エロゲユーザーだけでは勿体ないのでは?と思うルール。もし、パズル部を切り取ってスマホに移植すれば評価されるパターンです(ウディタだから移植は難しい)。
依頼を受ける時とシナリオ時にパズル開始。
パズル開始時、画面上には基点となるマナ、及びその他のマナが配置されています。マナは火・水・風・雷からなる4種。プレイヤーは素材を投入することで新たなマナを盤面に投入します。各素材はマナの種類や形が決まっており、適切な素材を選んでいきます。
基点となる同じ属性のマナの間を全て同じじ属性にすると、基点を含めて繋げた色のマナが消去されます。
▲A点からB点までを同じ色に出来れば消去できます。
ノルマターン数があるため、早期ターンクリアは評価に良影響し、逆にオーバーすると製薬失敗となります。また、クリア時に基点以外のマナが消去できていない場合、「不純物」扱いとなり評価が下がります。
不純物対策として、水の素材で火を消去など4属性の弱点の素材を利用することができます。また、毎ターンスキルポイントが溜まるので、スキル「中和」で基点を除く任意のマナを1つ消去することができます。
▲火のマナを水の素材で打ち消し。
また、火と水が1つのマナに封じられていることがあり、その場合は外属性のマナを消してから中属性を消す必要があります。
実際プレイすると非常にシンプルで、ルールに美しさを感じられるパズルです。体験版範囲は簡単なため、ルール以外の面白さは不明です。ただ、このルールなら難易度の高いパズルを作ることも可能なので適切なパズルデザイナーがレベルを設計すれば高品質なパズルになるはずです。
最後に1つ解放を。
火・水混合マスと雷マスに基点があるステージです。
まず火・水混合を横3マスに配置する素材があるので利用します。
火マナは残しておくと不純物となっているため、中和スキルを用いて消去します。
最後、2ターンしかなく、チマチマ素材を配置すると時間制限になってしまいます。そこで3マス×1マス開き3マスの特殊な素材を使ってみます。良いように配置してバーン!。
純粋にパズルが楽しく物語がコメディちっくで面白いゲームでした。体験版範囲は簡単な問題ばかりですが、応用させた問題が出てくることが期待できます。あと、個人的な要望として、素材を限定した詰めパズルのようなやり込みステージ等は欲しいかな。パズルのルールや作り込みがガチだったので、純粋にパズルもすごい楽しみだったり。巨大化+身長差でニッチなゲームですが、「ぼくがすきになったせんとう。」から感じるトキノコギリらしさは前面で出ています。作風の明るさもあり、万人向けに作られている印象があります。
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