アイドル魔法剣士フィーリア -羞恥まみれな転落人生-[みるきーうぇい]
みるきーうぇいは、セクハラ・機械姦・催眠を中心とした恥辱系の段階シチュのエロRPGを製作するサークルです。エロシチュの傾向は前作の雰囲気を維持しながら新たなシチュに挑戦しつつ、ゲーム性・イラストの画力・ツクールの快適さや手触りは前作より向上しています。コメディセンスがよくなり、NPCへの個性付けも上手く機能、そしてエロ関連もイラストだけでなくマップの動きを工夫しています。私は前作まで好みのエロシチュを作ってくれるサークルという理由でお気に入りでしたが、今作はそれに加えて洗練されたアイデアが光るRPGです。ぴょんぴょん飛びはめる楽しげなフィールド画面、各種特色のあるシステムを導入したダンジョン、日数とHPを上手に活用した管理システム、1つ1つRPGツクールの機能を駆使して作り込んだエロイベント、etc……。
サクサクRPGにHP管理が重要な育成シミュレーション要素を混ぜたエロイベ重視システム
とある魔物に、敵を倒すたびに弱くなる呪いをかけられた魔導士の女冒険者(物理も強い)が呪いをかけた元凶である魔物を探す物語です。オープニングだと強力な魔法と物理を誇ったフィーリアも敵を倒すと吸い取られる経験値のせいでゲーム開始時はレベル1、全てを忘れスライムにも苦戦。対策として師匠に恥ずかしい目にあうと強くなる&エッチな出来事に遭遇する確率を上げる加護をかけてもらったため、街中では「運悪く」様々なエロい出来事に遭遇します。もちろん淫乱度がたまる後半は遭遇することを望んでいます。
フィーリアは過去作同様、流されて「ま、いいか」となる性格で周りがエッチなこと迫ると本心が嫌でもエッチしてしまうようなキャラです。今作はコメディ関係がパワーアップしており、メインイベントでも真面目な話の中にお馬鹿なノリを混ぜNPCとの会話でもジョークが効いているセリフが目立ちました。エロイベ後のNPC会話は下ネタなのですが、こちらでも笑いを取るようなテキストがあり、純粋にNPCと会話したくなる面白さがあります。
▲強かった冒険者であるフィーリアがLv1になり、装備が無くなり、ギルドの名声値も0からになる理由付け。呪い後に敵を倒し弱くなり資金は底を尽き、武器が壊れてもストックがありません。RPGやエロRPGの定番を思わせるセリフですが、実は世界観に溶け込んでいて違和感がありません。
物語としては全年齢RPGのような凝った設定はないものの、エロを基軸とした設定や世界観づくりがしっかりまとまっています。大枠のストーリー設定だと粗を探せばありますが、そんなことは気にならないほどキャラの(性格やエッチな)魅力を引き出すことを中心としたイベント群やNPCとの会話がしっかりしています。加えて演出強化も図られており、歩行キャラの動きやドット小物、CG小物も多様して面白さを引き出しています。この傾向はエロだけでなく、一般的なイベントにも採用されています。
また、サブイベントの配置やタイミングが絶妙だなと感じます。夢でサキュバスにいたぶられている女の子を助けたかと思えば闘技場に出て(わざと敗北して)みたり、かと思えばサブイベントで山に登ってエッチな要求をされたりとあらゆる場所でエッチが発生します。先に進んだり戻ったりで忙しさが楽しく、あちこちでイベントをこなすフリーシナリオに近い感触です。
▲さすがに今回は出番が少なくて感情移入する前に終了してしまいましたが、サブキャラも2名登場します。それぞれ結構ハードなエロシーンあり。
特に今回のラスボス戦は簡単に倒せないような設定になっており、解決策を求めて世界各地を巡っている間やラスボス戦も胸熱なイベントも多々発生します。
さて本作はRPGですが、経験値管理を主体とした育成シミュレーションのような概念がゲームシステムの根幹にあります。素材が入手できず超インフレ価格化したポーションとヒール魔法が使えない主人公のため、HP回復手段は宿屋か自宅での1泊のみです。そして30日と日数制限があり、超えてしまうとゲームオーバーに。つまりHPの管理が重要なゲームです。ちなみに余裕のある日数制限になっています(私は一週間ちょっと余りました)。
HPは戦闘でも減少しますが、それよりも唯一の経験値入手手段であるエロイベによって大幅に削られます。そのため、経験値効率や資金入手のための計算をしながらエロイベを発生させていき、そして経験値がたまったらダンジョンを突破して新たな町に進み新たなイベントも発生する流れでゲームが進みます。また、他にも淫乱度がたまるとエッチで入手できる経験値倍率が上がっていき効率が良くなったり既存イベントの段階差分が発生。序盤こそ繰り返し作業がありますが中盤以降はこのように様々な手段でイベントが増加するため、イベントを収集してレベル上昇→新たなダンジョンを攻略というサイクルが綺麗に出来上がります。
余談ですが、しもばしら工房の「Anthesis アンテシス」と本作はこの根本のゲーム設計がとても似ています。
また、ゲーム性が初期・中期・後期で変化していくようなパラメーターデザインになっています。初期は最大HP増加や回復量がキーです。HPの最大値が上がると睡眠後の回復量が上がります。そして最大値を上げるためには期間限定の商人、ダンジョンで入手する増加アイテム、自宅よりも綺麗な宿屋で宿泊(100G)などの手段があります。ところが初期はお金がないので宿屋で泊まると期間限定商人からアイテムを購入できなかったり、ダンジョンのアイテムもレベルが低いと取りに行くリスクがあるなどお金とレベルのジレンマに直面します。また、宿屋での回復量を考えると自宅に泊まることは短期的なお金の節約になっても全体で見るとリスクしかありません。
中盤になると、毎日宿屋で寝る金額は稼げるようになり、数値的には安定化します。レベル上げ期間として様々なイベントを見たりメインストーリーを進めて物語やエロを楽しむターンとなります。宿屋の回復量が決まっているため、なるべくHPを使い切るようにイベント発生方法を組み立てていく楽しみ方があります。
ところが終盤になると急遽大金が必要になります。そのため、効率の良い資金入手系エロイベを発生させたり、敵を倒すしたり、そしてダンジョンからアイテムをゲットするなど資金をためるための冒険に変化します。もちろんそれ用のダンジョンやエロイベントも発生。
▲序盤の淫乱度、HP等は伸びが悪いのですが中盤以降になるとどんどん伸びていくため、このインフレの楽しさも中盤に味わうことができます。
このようにゲーム性が変化することにより、ゲームシステム的な中だるみが全く起きません。
ダンジョンの雑魚戦は敵シンボルに触れることで一瞬で勝負が決まります。人気度と資金を入手できる代わりに経験値とHPが減少。ボス戦以外は戦闘画面がないため本当にサクサク進みます。人気度が欲しい時以外はなるべく敵を避けながらボス戦へ(HPが大事なので)。各ボスとの戦闘にも攻略法をつかめばHPの減少を減らすことができるように工夫があります。主人公が物理・魔法の両刀使いであることをいかしたボス戦で、ちょっとだけ考えると簡単にクリアできる面白い匙加減。また、適正レベルでダンジョンを訪れた場合、雑魚敵を倒して減少するレベルは1程度。そして下降分は翌日に1回エロイベを発生させると回復できる程度であり、「敵を倒して弱くなり、エロで強くなる」という設定が実感できるバランスです。
▲むああーー、経験値がーーー。でも人気度を上げる機会が限られているため雑魚戦も必要な経費。
徹底的なこだわり。半数以上のダンジョンがそれぞれ固有の独自システムを導入
また、ダンジョンは一般的なノーマルダンジョンが少なく特殊なシステムのダンジョンが多数登場します。それらは商業ゲームの場合、リソースの使いまわしができないからNGと却下されそうなぐらいに独自の仕組みを付加しており、エロとの融和性も上手に考えています。ただ、多数のダンジョンを作ったためエロボリュームが1つのダンジョンで2,3ほどのと少なめな欠点もありますが。
これらダンジョンはサークル前作、前々作をプレイしていると懐かしくなるような内容です。露出女騎士ウルリカのTRPG風ダンジョンやAVない国のアリス -街と貧民街と淫魔の塔-のとあるダンジョンなど。単純に過去作の案を持ってきたのではなく、大きくカスタマイズしているため前作プレイ者も懐かしく感じつつ新鮮さが混在しています。
▲衣装関連の話ですが、このような前作リスペクトもあります。入手手段も前作と繋がりを示唆するようなキャラが関わっています
例えばTRPG風ダンジョンは、ステータスを通常とガラリと変えたうえで持ち運べる物もすべて専用アイテムのみとなります。そして所持アイテムの重量制限が宝箱のピッキング成功確率から戦闘での命中率まで全てに影響を与える仕組みで何でも持っていくわけにはいきません。戦闘もダイスの目で勝負する、このダンジョンだけの独自システムです。ちなみにこのダンジョンはとある設定で全裸にならなければならず、且つ媚薬が漂っています。さらに監視員がカメラでチェックしている状態……。
▲本格的なTRPG風ダンジョンになっています。
また、これは体験版で確認できるイベントダンジョンですがすごろくエロは素晴らしいアイデアでした。とあるゴブリンがすごろく場を開いており、実際にすごろくのミニゲームがプレイできます。サイコロを振って出た目を進み、分岐する場合はどちらに行くか選択。エロ無しで普通にプレイできるのでプレイヤーボーナスかと思っていたら、最後にエッチなマスが5連続。エッチな目に遭いやすくなっている主人公は、その時からサイコロの目が全て1になり全てのマスに引っかかってしまいます。
全裸、バイブ服(バイブが抜けると乳首が露出してしまう服)装着、催淫ガス、町へのワープと1マスづつ順々に罠が加算するように進み、最後の町で絶頂乳首出しをしてしまうという気合を入れたシチュでした。
▲本格的なスゴロクをプレイできます。1つのエロイベの良さを引き出すためにスゴロクシステムを用意してしまった執念。体験版の見所です。
マップそのものやギミックを活かし作り込んだエロイベ多数
至るところから感じる前作からのパワーアップ。それが一番輝いているのはエロイベ関連です。イラストとテキストオンリーのエロイベはゼロで、全てエロイベが始まるまでの会話からドットキャラの動き、独自システムなどエロイベの前後に挟むイベントが作り込まれています。また、エロイベそのものも今作は小物を多用して盛り上げています。
さて、シチュの傾向ですが、過去作で得意としていた催眠街、機械姦などは今作ではどちらかと言えば控えめです(どちらもそれなりに出番はありますが、過去作と異なりあくまで主では無いと感じただけです)。以下紹介するシチュは過去作でも面影があったものの、今作は前面に押し出し、あらゆるシチュを作るうえでの基本構造となっています。
まずは、主人公が気づかずに痴態を晒してしまい後から気づいて恥辱を味わうシチュ。体験版範囲では、酒場で接客アルバイト中にパンツが露出したまま後から気づいて恥ずかしがるようなシチュ。スカートが引っかかってしまい、フィーリアの知らないうちにパンティ丸出し状態で働くことに、それを眺めながら注文する客達。しばらくそれらが続いた後、とうとうフィーリアにもバレてしまいます。しかし、そのまま時間が無いと支配人の命令でそのまま接客することに。
▲基本的に次の段階は自らその衣装で継続するシチュが多く、酒場イベントだと二段階目以降は最初からパンティで接客。しかし、途中から胸や尻を触られてしまう内容に変化します。そして最終差分だと……。
他、表から裏が見えないマジックミラーで全裸フランクフルト販売をしていたらマジックミラーの魔力が切れて……、など本人にばれることで余計にエロさが増すようなイベントが多々配置されています。他、気づかずに恥部を見せていて、イベント終盤にフィーリアが気づき恥ずかしがる事態に。しかし依頼主などの命令で気づいた後も無理矢理その格好で過ごすことになるというテンプレートを使ったエロイベがいくつかありました。(良いとこ二重取りで美味しい。)
特にこの系統で印象的だったシチュは壁尻ですね。単体だけでもエロい人気シチュですが、とある理由で主人公が気づかれていると思っていないあることも同時に行われているシチュ化けています。ある程度淫乱度が進んでいる時に発生するイベントですが、それでも恥ずかしがる内容です。(エロRPGが飽和してきた今、定番シチュにどうアレンジを加えるかは各サークルさんの腕の見せ所だと思っています)。
そして、この延長と言えるかもしれませんがもう一つ目立ったシチュは意識があるのに身体が操られて勝手に動いてしまう、又は催眠等で操られてエッチ段階にある時に突然催眠を解かれるシチュ。例えば闘技場で敗北すると3時間だけ対戦者の奴隷になるのですが、この時フィーリアは3時間だけ対戦者の言いなりになってしまう呪いがかけられます。つまり、心とは裏腹に身体が勝手に動いてしまうシチュです。後者は体験版範囲だと山賊とエッチ勝負する常識改変中に意識を戻されたりするシチュ等がありますが、後半は記憶操作を使ったより過激なシチュが存在します。
▲闘技場イベントは全て対戦者が異なるため段階差分内容も主人公の意思に反して身体が勝手に動く以外はシチュ内容も全て変化します。ちなみにこちらは主人公の意に反しておっぱいを触らせながらビールを売るシチュ。実はそんな生易しいものではなく、イベントが進むにつれてエロの内容が大きく変化する本作でも屈指シチュの一つです。
▲イベント後のNPC達の反応も良い感じ。レズっぽい受付のお姉さん、主人公が敗北してエッチな目にあうとNPCなのにすごい存在感のあるレズセリフをどんどん吐いてくれます。私の中ではとても好きなキャラ。
そして特に目立っていたシチュは、映像や画像を取られフィーリアの視界範囲で放映されてしまうシチュ。これらのシチュはCGやドット絵部分にわざわざ写真やテレビの画像をしっかり描いているほどのこだわり用。そして対になっている別のイベントがあることも特徴です。つまり別の大きなエロイベの差分に放映シチュを加えるような感じ。例えば上記酒場イベント後、こっそり写真を撮っていた客の家で脅されて……というイベントがあります。また、体験版範囲では顔を隠してAV女優になるようなイベントがあるのですが、……その延長線上のシチュももちろんあります。
▲このモニター、数秒に1度3,4種の映像が次々変わるアニメーションになっています。
▲記念写真。フィーリアが断れない状態で強引に写真を撮っています。
他にはコンドーム販売や混浴風呂など。エロ関係で特にこだわりを感じたのはイベの前後でテキストが変化する点です。エロイベ直前、直後だけでなく、翌日になるとさらにテキスト変わるNPCもいた点が印象的です。あと下ネタだけどコメディチックなNPCもおり、本当にコメディ関連に関しても良くなったなと思います。また、衣装関連もちょっと変わったエロ衣装が多数用意されています。町の人達の会話も衣装で変化、各衣装ごとではありませんが、その町で対になる衣装、ノーマル衣装、エロ衣装の2~3つ用意されていいます。この2つのテキスト変化によって終盤の町はエッチな会話であふれています。
▲今作は街中の何気ないエロテキストにかなり力が入っています。イベント後は頻繁に内容が切り替わります。
▲CGを使うイベント以外にちょっとした立ち絵ミニイベントもあり。画力が上昇した影響もあってか、立ち絵イベントも存分にエロさを出しています。
▲倒したはずのスライムが粘着して、町で乳首を刺激して衆人監視の中でイッちゃうシーン。このような乳首が変化する差分などプレイする人から見て「わかっている」こだわりを持っています。
プレイ時間は6時間ほど、イベント数は41とミニイベント12。元々シチュが私にとって好みのサークルという贔屓目を除いたとしても(ちなみに今回も好みでした)、一皮向けたなと感じた作品でした。RPGの楽しさを引き出しつつもエロ系のイベントを町・ダンジョン問わず配置しつつ、ゲームそのものもサクサク進むというエロRPGにとって一つの理想的な形を作り上げています。
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