【エロRPG感想】レムと優しい世界(製品版)

レムの優しい世界_タイトル エロRPG

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レムと優しい世界
レムと優しい世界[マークマックス]

マークマックスさんは、「drug and girl」で先生と薬物中毒女性の禁断の依存愛を取り上げ、あまり同人エロゲでは見ない類の話が上手だなと思ったものです。恋愛物なのですが、お互いを知らない状態から、心に愛が生まれる過程を丁寧に描いた物語を作り上げていました。

そんなマークマックスさんの新作は人見知りで引きこもりだったハーフサキュバスの女の子「レム」が街で冒険者となり、友人を知り恋を知り心が成長する物語です。

初めに述べておくと、一般的なエロRPGをプレイする層に勧められるゲームではありません。エロシーンのテキストが弱く、回想数も少ないためです。また、RPG部分の作りも甘いところがあります。その変わり、ノベル部分の質が高く、「泣きゲー」などが好きな方は感動できる話です。どちらかと言えば少女漫画のノリですね。

エロRPGだと、その系のシナリオを見る事があまりないので、一風変わったゲームをプレイしてみたい方はチェックしてみるとよいでしょう。

サキュバスハーフの女の子「レム」の成長物語

レムは邪眼が勝手に発動して人間が苦しむことがトラウマで引きこもりになったハーフサキュバス。親子で静かに暮らしながら、冒険・恋愛小説を読み、まだ見ぬ世界に憧れる女性です。ある道具屋の男性が挨拶のため家にやってきた時、人見知りの主人公はモジモジして喋る事ができず、そんな自分を変えたいとレムは旅立つことを決意し冒険者となります。
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▲純正サキュバスの母親はレムが旅立つ姿を親の目線で見送ります。プレイヤーの視点もこの母親に近く、レムが街で一喜一憂する様を見守っていくことになります。

彼女の冒険はいつも成功ではありません。小さい成功で喜んだかと思えば、完遂とは言えず失敗して悩むことも。そして、母に慰められアドバイスされ心が成長していく……。また、これは冒険だけでなく、友人ができて喜び、友人関係に悩み、恋に悩み……とレムは思春期特有の喜怒哀楽を見せます。

心理描写を中心に描き、そして大事なイベントは長文で表現するのがマークマックスさんの特徴ですが、これのおかげでレムの気持ちがダイレクトに伝わってきます。

それに加え、ギルドマスター、売春宿の女将、闘技場の受付……レムに関わる街の人達も朗らかで優しい人ばかりで、レムに優しく接します。特に関わってくるのは、オープニングでレムが一目惚れした男性と、途中でレムの友人となる盲目の女性。

レムはこの男性と少しづつ愛を育むのですが、レムは元引き籠りで男性は奥手&鈍いため恋愛はなかなか進みません。この、お互いが気になっているのに先に進めない「じれったさ」とそれを見守る母や男性の雇い主。

その中で、盲目の女性と友人になります。初めて友人ができた喜び、友人と語る恋バナ、そして友人の励ましで成長するレム。女の子同士の友情が丁寧に描かれます。
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▲レムの友人となる女の子ローラ。彼女は盲目だけど、いつも優しさオーラが出ており芯の強さも見せます。そして、彼女と語った後のレムの様子が可愛い

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▲心に芽生えた愛情に戸惑うレムちゃん可愛い

青春だけど綺麗事だけでなく、青臭かったり泥臭かったり。この男性や友人との付き合いを通してレムが成長していく姿がゲームを通して伝わってきます。終盤は究極の選択を迫られるシリアスな話になります。この作者さんの話は先の展開が読みやすいのですが、それでも心理描写を中心に話を丁寧に綺麗に描くのがとても上手で感動しやすいことが特徴です。

また、本作は処女・グッド・バッドの3種類エンドがあります。バッドの場合、題名に似合わず優しくない世界ですが、過程に説得力があり、「悪行はいつか自分に返ってくる」ことを匂わせて考えさせられるバッドエンドでした。

メインシナリオ読解を目的とした街・システム作り

前作と異なり、街を歩いたり闘技場で戦ったりダンジョンを冒険したりとしっかりRPGしています。街には売春宿以外に酒場があり、教会があり、冒険者ギルドがあります。ほぼノベルゲーだった前作と比べると、街を自由に歩けるだけで物語の幅は広がりますね。武器屋や闘技場受付などは初めて話しかけた時や重要なシーンに長文会話があるなど、街の人達とのふれ合いを大切にしていると感じます。
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ただ、RPGとして大切な街の良さを活かしきっていないのが気になりました。まず、NPCが少なく街の人と会話するRPGの楽しみがほとんどありません。また、レムは内気でサキュバスなので、酒場や教会は入れないし、ギルドの冒険者達とも話せません。終盤で克服して街の人達と話せたり酒場に入ったりできるのを楽しみにしていたのですが、街イベントは最後まで変化せずでした。

シナリオを盛り上げる上でプレイヤーがどれだけその世界観に入れるかは大事な部分なので、もう少し工夫が欲しかったかな……とも思いました。

さて、レムの冒険者としての活躍は冒険者ギルドの依頼を受けてダンジョンを探索する事で進みます。イベントはサクサク進み、サブイベで戦闘も楽しめるので嬉しいエンカウント仕様です。

ダンジョンのエンカウントは完全にエロや物語の演出用の代物で困ることがありません。TP最大で使える「魔眼」(10ターン近く麻痺で全モンスターに効く)がチート並みの性能を持ち、敵の麻痺が解ける前にTP最大を維持できれば無双できるからです。また、敵シンボルの動きが遅く雑魚は完全に無視もできます。

おそらくですが、レベルを全く上げなくてもクリア可能。また、後述する魅了を使って戦闘が終了すると異種姦エッチが始まります。戦闘後は普通に倒せばステータスが、魅了すると淫乱度とMPが上昇する仕様。
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▲戦闘中にサキュバス化が可能で、変身すると魅了が使えるように。

さて、本編の戦闘は雰囲気だけのものですが、闘技場については、魔眼やアイテム禁止でステータス上げや武具装備が必須になります。初期はステ上げのごり押しでなんとかなるのですが、終盤の敵になるとレムのステが限界でも太刀打ちできず、武器防具の選択が重要になります。

ここで面白いのは、武器防具に純粋なステータスアップがなく、守備力10%UPやスキル「火炎斬り」など特殊効果のみ付与されることです。そのため、「この敵は固いから杖装備で使用できる魔法で攻撃だ!」「雷で攻撃してくるから雷耐性の装飾品を」など敵に合わせた装備が必要になります。何度も戦いながら敵の行動パターンを分析して的確な装備をするパズルを解いていくような楽しさがあります。
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▲各武器・防具の性能は全て一長一短なのでコレクションする楽しみも。

初心な乙女がサキュバスとして成長すると……

本作のエロは「戦闘で魔物を魅了」、「街の売春宿」、「イベント」の3種類。冒頭、旅立ちの時は筆下しならぬサキュバスの性生活を教えるため母が娘にエッチなお勉強。娘は何度もイッてしまいます(何度もイった後からエロシーンが始まるのが少し残念でした)。そして、サキュバスにとってエッチは忌避すべきことではない…と。表の物語が友情や愛情を通じて成長する物語であれば、裏の物語はサキュバスにとってのエッチが何かを追及する物語です。

レムはサキュバスだけどエッチにも抵抗を感じて……そしてサキュバスでありながら貧弱な体(と勝手に思っている)にコンプレックスを感じて……。エッチにも前向きになりサキュバスである自分を受け入れていく過程も見所の一つです。

また、レムは自由にサキュバス化できるのですが、戦闘時に変身して「魅了」を成功させるとモンスターを倒す事なく戦闘が終了します。その後、魅了に暴走した魔物がレムにエッチを仕掛けてきます。

淫乱度により3段階あり、初回はモンスターが不意に襲い掛かって抵抗できぬまま犯されるシーン。気持ち良さのあまり人間に戻ってしまいます。2段階目はモンスターに犯されるのは変わらないものの耐性が付き、サキュバスのまま犯されます。3段階目は完全にモンスターを支配して、レムから積極的にモンスターを犯します。
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また、街では淫乱度がたまると売春宿で客を取ることが可能に。一部例外があるものの客は優しいし、女将も娼婦のこと第一に考えて変な客は強気に追い出す方で、働きやすい環境。最初は客を取ることに抵抗を覚えていますが、だんだんエッチにのめり込むようになります。フェラ、セックス、アナルがそれぞれ3差分。それぞれ初回は初めてのプレイでとまどいや葛藤を覚える1段階目、慣れてエッチに励む2段階目、そして今までお客主導だったエッチがレム上位に変わる最終段階と変化していきます。
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▲私はエッチそのものより、エッチ前の心理状況や娼婦として慣れた頃の発言などが好きでした。

ただ、本編に比べてエロシーンのテキスト量がとても少なく、ボリュームも少ないのが気になりました。戦闘・売春共に初回以外のテキストが短め。

変わりにシナリオ関連で発生するエロは好きでした。レムが憧れている男性を思ってのオナニーや、ある程度サキュバスとして成長した後、レムを貶してきた魔物を調教するなどのエロがあるのですが、完全にストーリーと関連しています。そして、この作者さんの場合、シナリオの文章に力を割いているので、物語と絡めたエロを展開すると感情移入しやすくなり、興奮に繋がっているのだろうなと思います。
レムと優しい世界_オナニー
▲男性向けの過剰なオナニーというよりは、どちらかと言えば現実の女性だったらこんな心理状態でオナニーするのだろうな……と想像できるリアリティのあるオナニーで個人的には好きでした。

なお、シナリオ後日談では平和な日常シーンとエッチが3種追加。本編は悩みを持ち葛藤するレムさんでしたが、成長して一皮向けたので、お節介焼きのお姉さんへと大変身。本編のシナリオエロは受身・エロに消極的なのですが、完全に吹っ切れて、Sっ気を出してショタを性的にお説教したり、友人にアドバイスしたりとハッスルハッスルしています。

回想は魔物魅了5(それぞれ3差分)、売春3(それぞれ3差分)、イベント6、アップデート3の計17で基本CGも同様の17枚前後です。また、後日アップデートを予定されていて娼館、闘技場ENDの追加、ENDイベント追加で計7種のHCGが追加されるようです。クリア時間は1周目2時間、闘技場なども完璧にこなして計3時間、その後、他エンドを見るための2,3周目がそれぞれ1時間ほどでした。

冒頭でも述べましたが、「レムと優しい世界」はおそらく満足する層と不満に思う層がはっきり分かれるゲームです。エロ方面のテキスト量・シーン数、街イベントの作り込みも同価格帯の他エロRPGと比較するとどうしても劣ってしまいます。しかし、レムが、街やダンジョンを探検しながら成長していく暖かい気持ちはマークマックスさん独特の味で他RPGでは見ることができないものです。

また、RPGとしては発展途上でも、ノベルゲームとしてはなかなか良くできています。一人の女の子が成長する物語として見ると先がわかってもハラハラドキドキしながら心が温まる話で、読後の清涼感もあり、楽しめる一作でした。

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