【エロADV感想】未来からのキャットライン(製品版)

未来からのキャットライン
未来からのキャットライン

クロノトリガーをオマージュした歴史改変系のファンタージーRPG「アンチバタフライエフェクト」は優れた脚本構成力と良シナリオで隠れた名作としてファンの間に語り継がれています。タイムトラベルの次はタイムリープだ!ということでサークル「NormalNEET_Complex!」さんはアンチバタフライエフェクトの後に平行世界系の近未来ゾンビRPG「未来からのキャットライン」をリリースしました。

アンチバタフライエフェクトほど有名にはなっていないものの、同作で見せた優れた脚本構成力と良シナリオは健在です。作者曰く、アンチバタフライエフェクトの60%ほどの出来とのこと。確かに前作より劣る点もありますが、センスが光る会話やテンポ良く進むシナリオなど良くなっている点もあります。そして相変わらずずば抜けた面白さは健在で、このまま埋もれさせるには惜しいと思うゲームです。

テーマが全く異なるので、一概に同じとは言えませんがシュタインズゲートが一番似ているゲームかな。

なお、「未来からのキャットライン」の魅力を語る上で、ネタバレ無しは難しいものがあります。そのため、本感想では序盤のネタバレを含むことをご了承ください。

世紀末ヒャッハーなゾンビ世界をクールな元刑事のゾンビハンターが駆ける

主人公のオカは孤児院生まれ、幼馴染みとデートの約束をした日、突然幼馴染みが失踪します。それから数年後、オカは失踪事件ばかり担当する変わり者刑事になり、さらに数年後、ゾンビが徘徊する街でゾンビハンターとして名を馳せるようになっていきます。そんなオカが元同僚女性ノリと共にゾンビと生存権をかけたバトルを繰り広げる話。ここまで序盤15分ぐらいの内容です。

未来からのキャットライン_オープニング2未来からのキャットライン_オープニング1
▲幼馴染み、主人公が好き、明るい性格……といかにもメインヒロインな彼女。突然いなくなってしまって、いったいどこに……。

未来からのキャットライン_ノリとセックス1未来からのキャットライン_ノリとセックス2未来からのキャットライン_ノリとセックス3未来からのキャットライン_ノリとセックス4
▲その後、刑事になり同僚とはセフレの関係に。

主要シーンのみで時系列が進み、いきなりゾンビワールドに突入するので、馴染み失踪から~刑事、刑事~ゾンビ徘徊まで……といった過程が不明。え?この妙な空白期間に何があったの?っとNormalNEET_Complex!お得意の伏線が山ほど隠されているし、それでいてテンポが良いので先の展開が気になってワクワクです。(ただ、ここで意味わかんね?となって脱落した方もいそう。)
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▲正に世紀末。ゾンビ達と力を持った一部の人間が幅を利かせ、各勢力が縄張り争いをする戦国時代。

そして、本編前にノリとエッチし、セフレ関係であることが示されるのですが……ここで驚きの展開。ノリは銃で撃たれて死亡してしまいます。私は茫然としてしまいました。物語の傾向から、「幼馴染み」に惚れているオカが「新しい恋人」に心変わりしていく葛藤を表す三角関係がテーマの一つだ!と強く確信していたからです(注:NormalNEET_Complex!さんは物語中に複数のテーマを同時進行で進める手法を使うので、あくまでテーマの一つです)。

ところが、そのヒロイン候補とも言える人物が序盤で脱落……。「え?どうなるの?」と茫然としていました。ここからが超展開で、なんとオカがゾンビの街を旅立つ前から始まり、同じように進むシナリオ……。あれ?ループしてる、なんで?と主人公と同じ目線で疑問に思うわけです。

疑問に思いつつも前回と同じ行動をなぞる主人公。しかし、ヒロインが死亡した箇所で主人公は手段を変えてヒロインを助けます。つまりなんらかの理由でループしているけど理由は分からない……という状況に陥ります。
ここで本作「未来からのキャットライン」は同じ世界を何度も繰り返すループ構造の中、幼馴染みを見つけ、ヒロインを守るという目的が見えてきます。ゾンビが駆けまわる世界には、複数の勢力があり、ある時は敵対、ある時は仲間となるなどループ前提だからこその仕掛けが面白さを引き出しています。

構成力は言わずもがな、演出力もあるよね

ところで、オカはゲーム好きです。ループ開始時に毎回ゲームをプレイするのですが、不思議なことが。なんと、ゲーム内キャラをプレイヤーが実際に操作してダンジョンを攻略してボスを倒すのです。そしてループしても進むシナリオ……。サブシナリオとでも言えるほどの分量があります。何故……どうして……。
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▲近未来を舞台にしたゲーム内ゲームなのに、妙に分厚いシナリオ。そして、ゲーム内に登場する同僚と同名の「ノリ」なる人物。一体どんな秘密が……。

何故ループするの?ゾンビは何故生まれたの?冒頭のエッチシーンは誰?伏線を予想するのですが、終盤の怒涛展開は、本当に予想を上回りました。NormalNEET_Complex!さんは、予想しそうな答えも用意した上で、その上をいく伏線を用意しており、さらに怒涛のドラマも展開するのでクリア時の余韻が素晴らしく充実感があります。(これは前作プレイ経験者だと分かる感覚だと思います。)

ちなみに本作は登録ジャンルがSFと凌辱です。単なるゾンビ世界でヒャッハーするだけの話ではありません。

また、登場人物が多いことも特徴かも。シナリオが進むごとにキャラが増え、そのキャラ達を軸にストーリーが進みます。それぞれ、しっかりキャラは立っており過酷な世界を生き抜いています。
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▲魅力的なキャラも多数登場。ループごとに新キャラも増えて話の厚みはどんどん増します。

ところで、NormalNEET_Complex!さんは構成力だけでなく、日常会話が面白いことも注視できる特徴です。小粋の聞いた洋物ドラマ風の演出を意識してそう。背景説明などは控えめで、ドット演出や何気ない小粋な会話から世界観や人物関係などが想像できるようになっています。会話文も難しい言葉などは控えめで頭に入りやすいけど、それが決して安っぽくなく、短い言葉の一言に強烈な意味性を持たせている場合もあります。

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▲わずかな会話に多くの意味を持たせる典型的な1シーン。幼馴染み失踪後、刑事として活躍している場面。主人公の会話から、失踪事件のみを扱う刑事になっていることがわかります。そして、その理由を考えると見つからない幼馴染みを探すため、必死に刑事になって、そしてわずかな手がかりを見つけるために失踪事件を扱う刑事になったのかな……と類推できます。この説明は本文中に全くありませんが、この一言だけで理解してしまえるのです。

また、会話は文章短めの掛け合い中心ですが、短い文章の中に笑いあり、お涙あり、説明あり(説明乙にならないあたりがすごい)で会話を読むのが単純に面白い。コメディセンスがこれまた絶妙で、勢いで笑うようなギャグはないものの、じわじわくるタイプの頭を捻らないと考えれないギャグが普段の会話に豊富に仕込まれています。

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▲知的に笑えるようなジワジワくるネタが盛り込まれています

この日常会話に関しては、アンチバタフライエフェクトより磨きがかかっているなと感じます。

各ヒロインに恋愛と凌辱の2種を用意し、物語の厚みが増す演出としてのエロ

エロはネトラレ・催眠・輪姦などのレイプ系と、女性達がオカに惚れて、エッチを迫る和姦の2種類が半々ほど。

オカは元刑事&クールでハードボイルドっぽいので、そばにいる女性は彼に惚れていきます。そんな彼に女性が「抱いて」……と。オカは幼馴染みが好きだし、セフレ兼元同僚のノリも憎からず思っているのですが、「据え膳食わぬは男の恥」のノリで迫られたら遠慮無く食べてしまいます。オカに好意を持っている女性は、それはもう喜んで遠慮なく抱かれるのです。

レイプ系はほとんどがループ現象を前提とした演出で実現されます。主人公がある行動をした時は助かるけど、次のループで違うことをしてたらレイプされちゃった……など、ループ世界によって女性達の結末が変わります。ある時は催眠である人が絶対と崇めて喜んで抱かれるキャラがいたり(主人公に惚れるループもあり)、主人公が見捨てたため、輪姦を受けることもあれば、ループによっては主人公が忠告し逃げるキャラも。

テキストは淡泊であっさりめ、画像差分も2、3枚ほど(挿入前と後)のため、実用性は薄いのですが、無くてもいいのか?と聞かれると、物語としては必須だと感じます。各女性に惚れちゃった系恋愛エッチとレイプ描写がそれぞれあるため、オカがループ行動で失敗した時に悲壮感に厚みが増すためです。

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▲あるループでは輪姦、またあるループでは……。

バイオハザードをリスペクトした戦闘システム

さて、イベントで街の行き来や施設へ侵入した時はダンジョンを攻略。前作は戦闘に時間を取られる問題がありました。本作では適度な緊張感を与えつつ、1ダンジョン敵シンボル数を2、3に抑えてシナリオのちょっとしたスパイスになる程度に抑えています。
未来からのキャットライン_アイテム
▲アイテム名を見るとどうしても思い出すバイオハザード

敵はほぼゾンビで、バイオハザードをリスペクト。単純に攻撃してもダメージが薄いので銃撃スキルの使用が基本です。1発で単純攻撃の10倍程度、5連発で50倍以上と高火力。ただ、銃撃に必要な銃弾が貴重品なので、敵のHPに合わせて連発数を抑えるなど工夫をしないとすぐに弾で悩むことになります。

戦闘の緊張感は敵の強さと言うよりはこの弾数、お金、残HPやMPが特に影響します。全編にわたりHP、MPの回復は無しという制限付きのためです。そのため、的確な連射数でゾンビを倒し、得たお金で銃弾、回復薬、武器防具を買い、適宜回復する……というサバイバルな戦闘システムになっています。

戦闘は難しくないけど、お金の余裕がなくカツカツでした。また、敵シンボル数も固定なので、計画的に倒さないと経験値不足に陥ります。極限状態の世界観を反映したシステムですね。

一応救済策として何度でもプレイできるトレーニングで少量のお金と経験値を入手できるので面倒にはなるけど詰むことはないはず。

また、ゲーム内ゲームでもダンジョンがありますが、こちらは強力火力+回復ポイントあり。本編との対比を考えるとゲーム内キャラ強い……と肌で実感します。

リソース不足で常に極限状態の戦闘ですが……個人的にはシナリオ重視のゲームなので、トレーニングの効果を上げるなど、もっと簡単にしてもよかったかなと思いました。戦闘の攻略を考えずにサクサクプレイしたいユーザーもいるはずですからね。

回想は17、基本CGは25枚前後。5枚ほどはイベントで使われる全年齢CGです。クリア時間は4時間。シナリオの密度が異常と言ってもよいほど厚く濃いゲームでした。シュタインズゲートなどのループ系シナリオが好きな方は満足できる内容かと思います。

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DLSITE:未来からのキャットライン

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